設立20周年を迎えたNTTドコモが岐路に立たされている。iPhoneに翻弄されて「独り負け」の状態が続いていたからだ。新端末を引っ提げ、サービス分野に乗り出すなど反転攻勢に出始めているが、新たな戦略には疑問符が付く。加藤薫新社長の下、スマートフォン時代にドコモが向かう先に迫った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志) 今春、NTTドコモでは、夏の携帯商戦に向けたスマートフォンの開発が山場を迎えていた。 「これではiPhoneに追い付けないぞ」 丸山誠治プロダクト部長は、試作機の画面を指でスライドするたびに改良の指示を出した。 こだわったのは操作性だ。iPhoneの画面は、1秒当たり約50コマ(フレーム)でできており滑らか。それに対し、昨夏発売したドコモのスマホは毎秒20コマ程度のものもあり、動作がカクカクして明らかに劣っていた。 改良の結果、iPhoneを上回る操作性を実現、従来よりも約