FRBのテーパリングはいまのところ市場への動揺を与えることなく順調に実施されている。中央銀行による大規模な国債買い入れが減少しても、米国債の下落は限定的となり、米10年債利回り(長期金利)は2.5%近くで安定している。 米10年債の利回りの推移をみるとFRBの国債買い入れによる需給への影響よりも、世界的なリスクや、FRBの金融政策などを先読みして動いている。つまり大規模な国債買い入れという需給面による影響よりも、世界的なリスクとその対策としての金融政策の行方などを見ながら米国債は売買されていた。まったく関係はないとは言えないが、FRBが国債を買い支えて低金利が演出されていたとは考えづらい。 これに対して日本の長期金利が0.6%程度に押さえ込まれている要因としては、日銀が国債発行額の7割も買い入れているためとの説明がなされるが、米国債の動きを見る限り、中央銀行の金融政策の行方は影響していても
