出産間近の妊婦が立っている時の腰の筋肉への負担は、妊娠前に比べ、2~4倍も増加することが東京工業大学の中島求准教授(スポーツ工学)らのコンピューターシミュレーションを使った研究で分かった。背もたれが後ろに20度以上傾いた椅子に座ると、負担は半分以下になった。これまで多くの妊婦が腰痛を患うことは指摘されてきたが、実際に腰への負担がどの程度かかっているかが分かったのは初めてという。 中島准教授らは20~30代の身長157センチ、体重47.5キロの平均的な日本人女性が妊娠38週の時に、全身の主要な464本の筋肉がどう使われているかを示すコンピューターシミュレーションを作成。腹部に6.175キロ、胸部に0.95キロ、その他に3.325キロの計10.45キロの重さが増えたと設定した結果、妊娠前には腰を支える「脊柱(せきちゅう)起立筋」に約4キロの負担がかかっていたが、出産間近になると腹部の前側にのみ