平和主義国家とは、何をする国家のことなのだろう――。 米国がイスラエルと組んでイランに武力攻撃をしかけた。日本では、平和主義の柱である憲法9条を改正しようという声が上がる。世界はどう変わったのか、日…
平和主義国家とは、何をする国家のことなのだろう――。 米国がイスラエルと組んでイランに武力攻撃をしかけた。日本では、平和主義の柱である憲法9条を改正しようという声が上がる。世界はどう変わったのか、日…
4月1日、米国ホワイトハウスで開かれたイースター昼食会で、ドナルド・トランプ大統領のスピリチュアルアドバイザーとして知られるポーラ・ホワイト牧師が、彼をキリストにたとえて称賛した。一方、トランプは最近、ソーシャルメディアに「狂った野郎ども、くそったれのホルムズ海峡をすぐに開放しろ」と投稿した。いったいなぜ私たちは、世界最強国の大統領が極度に低俗な言葉を吐き、そのような指導者が神と同一視される世界に住むことになったのだろうか。その答えを、個人の精神状態ではなく、現代ポピュリズムの構造のなかから探さなければならない。 こんにち世界各地で広がるポピュリズムの波は、自由民主主義の約束が果たされなかった結果だ。一般の人たちが、自分たちは社会で重要ではない「取り残された人たち」だと感じるようになり、その結果、政治エリートと大都市の文化的エリートに対する恨みが形成されたのだ。要するに、ポピュリズムは経済
国民会議で、消費減税なら半年でできて、給付控除が2年かかると聞かされると、またもや的外れな負担減が実行されるのかと、暗い気持ちになる。労使のような理屈のわかる国民がまったく望まないことが実行されるのは、これが受けるだろうという政治家の愚民観によるものだろう。貧民の歓心を買うポピュリズムとは似て非なるものだ。出生数の急低下で危機的な状況なのに、手詰まりにしてしまった「独身税」の二の舞になるのかね。 ……… 2月の人口動態速報の出生は、前年同月比-0.4%で下げ止まりを見せている。いかんせん、合計特殊出生率が1.13人の低レベルでは、年金財政へのテコ入れが必要な危機的な状況だ。そうかと言って「独身税」の不評ぶりでは、打ち手が限られる。「育児休業給付がなくて、どうして非正規の女性が子供を持てるのか」という矛盾の解消を狙ったのに、「独身税」という負担のみの残骸にしたことが、返すがえすも悔やまれる。
憲法改正に積極的な政治勢力が衆議院で3分の2以上を占める中、首相は改憲への意欲を見せ、武器輸出の解禁など軍事的な手段への傾斜を強めている。改憲派内でも修正箇所については意見が分かれるが、第9条は常に…
進歩的な社会変革を実現するのが難しい理由の1つは、社会の仕組みがよく分かっていないことである。私たちは、エイリアンのテクノロジーの断片を、内部機構もよく分からないままいじくっているようなものだ。私たちに観察できるのは、その内部機構へのインプットと、それが生み出すアウトプットだけである。実際、マルクスの仕事が未だに魅力を持ち続けている理由の1つは、歴史的発展の基本法則を発見したと謳っていることだ。そうすることでマルクスは、社会主義に「科学的」地位を与えようとした。もう、過去の「空想的」社会主義者たちのようにあてずっぽうで行動を起こす必要はない、というわけだ。マルクスの理論によって、人間に課された制約が正確に突き止められ、どんな介入を行えば解放的な帰結がもたらされるか(あるいはもたらされないか)を事前に知ることができる、とされた。 マルクスの提示した具体的な理論は間違っていることが明らかとなっ
というNBER論文をタイラー・コーエンが紹介している。原題は「The Chinese Current Account Imbalances: Puzzles, Patterns, and Possible Causes」で、著者はChang Ma(復旦大学)、Shang-Jin Wei(コロンビア大)。ungated版はParis Report 4: The New Global Imbalances | CEPRの11章として読める。 以下はその結論部の後半。 We also show that industrial policies, including sector-level subsidies, and trade policies, such as import barriers, have significant effects at the sector level but
第1回ヒューマノイドロボットEXPO。注文を受けてドリンクを運ぶロボットの姿があった=東京都江東区の東京ビッグサイトで2026年4月15日午前11時31分、秋丸生帆撮影 「チャッピー」と愛称が付くものがあるなど、米国発の生成AI(人工知能)によるチャットサービスが2025年、急速に広まった。 それに続けと、今年はAIを搭載したロボットが活躍する元年になるのでは、と言われている。 4月中旬、東京都江東区のビッグサイトで国内初の人型ロボットの展示会「第1回ヒューマノイドロボットEXPO(エキスポ)」が催された。 だが、注目されていたのは、複数の中国企業の人型ロボット(ヒューマノイド)。この分野で、中国は世界をリードしている。 それでも、日本企業が生き残るための勝ち筋は残っているという。 タブレットで動作の指示 記者が会場に入ると、一角に人だかりができていた。 視線の先には、タブレットで注文を受
樫原辰郎『バグるラスコーリニコフーー進化心理学と行動経済学で読む『罪と罰』』(晶文社、2026年)(その2・完) 樫原さんの本の感想の続きである。第3章・第4章が『貧しき人々』論、第5章以降が『罪と罰』論である。『白夜』論は短いためもあり、また本書の広い世界観を示すためもあり、話がいろいろと分岐したが、第3章以降はそうではない。小説のストーリーラインに沿いながら、人物の戦略が論じられ、その戦略を理解するための諸学問の説明が与えられる。この諸学問として著者は進化心理学、行動経済学、ゲーム理論、認知科学、哲学的自然主義(325頁)を挙げており、一般的な人文学(とくに文学、それにまた私が専門とする歴史学)とは大いに異なる。この点が本書の一番の強みであって、伝統的な人文学だと人物の行動を理解する上で、単純であればその内面を読むことになろうし、より複雑であれば社会的・文化的背景とか、テキスト構造上の
ナフサ・ショック〜石油依存産業の終わりの始まり 【第2話】 日本だけが「ナフサ95%依存」 米国・欧州・中国との決定的な差 〜ホルムズ海峡封鎖が暴いた「日本の急所」と、そこからの脱出地図〜 【今日の数字】 ▶日本の石油化学原料に占めるナフサの割合:約90〜95% ▶米国のエチレン生産原料に占めるエタンの割合:約70%以上 ▶中国のMTO(メタノール・トゥ・オレフィン)設備能力:世界最大規模 ▶信越化学工業の米国エタンクラッカー:テキサス州に自社保有・通常稼働継続中 ▶日本のナフサクラッカー建設コスト:数百億〜数千億円規模(転換投資の壁) ■ 「なぜ日本だけ?」という素朴な疑問から始める第1話でお伝えしたように、日本の石油化学原料の約90〜95%をナフサが占め、そのナフサの約74%を中東から輸入しています。これが今回のホルムズ封鎖で「日本の急所」として露わになった構造です。 でも、よく考える
<RAFFAELE HUANG/2026年4月7日> 【シンガポール】米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は3月、映画「アナと雪の女王」に登場する雪だるまのキャラクター「オラフ」のロボット版を披露した。ロボット版オラフは、最も有名な米国企業3社を結集させたもので、エヌビディアとグーグルが持つ人工知能(AI)技術がこのウォルト・ディズニーのキャラクターを動かしている。 しかし、オラフは中国の技術力を示す存在でもある。ディズニーの研究論文によれば、オラフの首と脚の動きを制御する中国ロボット製造企業、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)の部品なしには、オラフはよちよち歩いたり、身体を揺らしたりすることができなかった。 中国企業は、ヒューマノイドロボット(人型ロボット)のサプライチェーン(供給網)における自らの地位を確固たるものにしようと動いている。フアン氏と米電気
国民会議では、負担と給付のそもそも論のような説明が事務方からなされているが、事の本質である日本の社会保険料に課税最低限がないことは慎重に避けられている。社会保険料が軽減の対象になると世間に知れたら、減税ポピュリズムで、どんな酷い扱いになるかも知れないから、分からないでもない。ただ、会議メンバーには理解してもらわないと、的外れな制度設計になってしまう。 ……… 「専業主婦は保険料を払わないのに年金をもらえるのはズルい、それで就業が抑制されるのはマズい」というのは、よくある批判だ。実は、この問題は、社会保険料に課税最低限がないために生じている。専業主婦を優遇するとかしないとかの問題ではない。専業主婦は、個人単位で見れば、無収入者である。夫が養っているにせよ、収入は世帯単位でしか生じていない。無収入者の扱いの問題なのである。 他方、一般的な無収入者の国民年金は、保険料が全免になり、給付は半分にな
結論:第4章が示す「真実」 第4章が暴く事実は、「在庫の量はあっても、その所在が『市場(マーケット)』にない」ということです。 政府が「国内に在庫がある」と言うのは、銀行の金庫に多額の現金が眠っているのを見て「国民は金持ちだ」と言っているのと同じです。引き出すことができない、あるいは引き出すコストが異常に高い在庫は、実務上は「欠品」と同義です。 政府はこの「所在の偏在」を解消するための物流支援や価格補填を行うのではなく、「目詰まり」という言葉で放置している。これが、石油精製メーカーから商社、成形現場に至るまで、サプライチェーン全体を凍りつかせている「目詰まりの正体」です。 最終章:抽象的な言葉の先にある、新しい市場の現実 これまで見てきたように、政府が用いる「目詰まり」という表現の背後には、石油精製プロセスにおける物理的制約や、補助金制度がもたらした経済的な力学など、極めて複雑な要素が絡み
大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」を巡り、日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)が、住民投票の対象を「大阪市民」から「大阪府民」に広げる案に言及し、波紋が広がっている。 首都機能をバックアップする「副首都構想」の法案骨子と結びつけ、「大阪都」への名称変更を新たに争点化させる狙いがにじむためだ。維新内には戸惑いの声が上がるほか、連立を組む自民党内からも反発が出ている。 維新は昨年9月に党内でまとめた法案骨子案で、副首都の必須要件に「特別区」の設置を盛り込んだ。人口要件などから事実上、大阪などに限られ、都構想の実現を前提とする内容だった。このため、自民や地方自治体からは「大阪ありきだ」との批判が上がり、与党内の協議が難航。実務者協議は11回に及んだ。 自民と維新の実務者が先月31日に合意した法案骨子では、特別区を必須要件とはせず、大阪以外の自治体も手を挙げやすい制度にすることで折
維新大阪市議団が主催するタウンミーティングの会場。「大阪都構想3度目の挑戦」を巡り、市民意見を聴く目的で開催された=2026年4月8日、大阪市浪速区の浪速区民センターで、筆者撮影 大阪都構想(大阪市廃止・分割)の「3度目」を巡って大阪が揺れている。今年1月、吉村洋文・大阪府知事(日本維新の会代表、大阪維新の会代表)と横山英幸・大阪市長(日本維新の会副代表、大阪維新の会代表代行)が、「出直し選挙をやり大阪都構想3度目の挑戦を訴える」と表明。維新の会の大阪市議団の反対を振り切って辞職、出直し選挙に踏み切った。2人とも再選されたものの、大阪都構想は「大阪市を廃止して特別区に分割する」ものなので、廃止の当事者である維新市議団は「3度目」に慎重姿勢を崩さない。3月には「大阪市内24行政区でタウンミーティング(TM)を開き、市民の意見を聞く」と決定、4月5日からTMが始まった。 維新による大阪都構想の
10-12月期の家計GDPは、名目の可処分所得が前期比+0.94%だった。雇用者報酬の寄与度+0.92とほぼ同じだが、公的な負担が-0.38で、給付の+0.52が打ち消した結果である。すなわち、名目成長の下で、税や保険料が自然にかさんでおり、負担減や給付増の政策を打たないと、家計を締めて消費を抑制する構造にあるということである。物価対策の評判は良くないが、バランスを保つために必要なものになっている。 2025年で可処分所得を見ると、雇用者報酬の寄与度が+3.74、財産所得が+1.60もあるのに、公的な負担が-2.37、給付が-0.12となっているため、可処分所得の伸びは半分の+2.54にとどまっている。その結果、物価上昇を加味した実質の可処分所得が-0.4とマイナスに沈むことになった。こうした状況が「手取りを増やしてほしい、現役世代の負担を軽減してほしい」という世論につながっていると思われ
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