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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (77)

  • キシノミクス・コロナが緩むも伸び悩む経済 - 経済を良くするって、どうすれば

    12月の鉱工業、商業動態は、コロナが収まっていたにもかかわらず、いずれもダウンとなり、この様子では、10-12月期のGDPは、コロナの蔓延で大幅なマイナス成長だった前期の反動が出るはずなのに、伸び悩みそうだ。プラス成長であっても、前期の落ち込みを取り戻すところまで行くか微妙で、景気の下地の弱さがうかがわれる。コロナの影響だけでなく、10%消費増税後の低成長構造との戦いでもある。 ……… 12月の鉱工業生産は前月比-1.0となって、10-12月期が前期比+1.0になったものの、7-9月期が-3.6もの落ち込みであった割に鈍いものとなった。前期の落ち込みの原因であった自動車は12月までにほぼ回復したが、資財(除く輸送機械)が前期比-2.2、建設財が前期比-2.3といずれも2期連続の低下である。投資部門の低調さは、コロナの動向とは別に、今後の景気に不安を抱かせるものである。 次の1-3月期に関

    キシノミクス・コロナが緩むも伸び悩む経済 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2022/02/06
    "税収だけは、11月分も引き続き好調で、ここまでの累計の前年度差は、補正後の税収見込みの前年度差を上回る。つまり、税収の上ブレがほぼ確実になったということである"
  • 「人口戦略法案」の難点を解決する - 経済を良くするって、どうすれば

    厚労省のスーパー官僚だった山崎史郎さんが書いた『人口戦略法案』は、いわゆる「こども保険」の構想であり、新たな社会保険の導入により、育児休業給付を大幅に拡充して、少子化を克服しようという内容である。1/1に内閣官房参与に任じられたらしく、これが岸田政権で実現されたらと心から願う。ただ、その最大の難点は、重くなる保険料を、どうやって国民に受け入れてもらうかだ。いかに人口の維持という大義があっても、低成長で生活が苦しい中、負担への納得は容易ではない。 ……… 負担が難点なら、無くせば良い。こんなことを言うと、行革でムダを撲滅して財源を捻り出すのかと勘違いされそうだが、そうではない。少子化とは長期的な滅びの道であり、その克服は日経済を持続可能にするため、必ず大きな金銭的利益が発生する。この関係を制度設計によって上手く結びつければ、更なる保険料負担を課さずとも、給付ができるようになるというわけであ

    「人口戦略法案」の難点を解決する - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2022/01/30
  • 緊縮速報・こんな大緊縮、本気でするの? - 経済を良くするって、どうすれば

    半期に一度の「中長期の経済財政に関する試算」が公表され、2023年度にGDP比で4.8%、額にして27.9兆円もの緊縮を一気にやる計画になっているけれど、気なのかな。上昇負荷がかかり過ぎ、人が耐えられざるものになりかねないのに、もう少し加えて2025年度の財政再建を予定どおり達成しようという意欲さえ滲んでおり、そら恐ろしいものを感じるよ。「ダイエットにやり過ぎはない」といった思想は何とかならないものか。こんなものを見せられて、誰もまずいとは考えないのかね。 ……… 日経済が「失われた25年」になったのは、回復期に財政再建を焦って急激な緊縮をかけ、成長を失速させるのを繰り返してきたからだ。デフレを抜けたければ、徐々に進めれば良いだけなのに、どうしても我慢できない。「試算」の2023年度の赤字のGDP比は-1.4%まで縮み、コロナ禍を抜けた病み上がりの時期に、景気が好調だった2018年度の

    緊縮速報・こんな大緊縮、本気でするの? - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2022/01/16
    ”もう少し加えて2025年度の財政再建を予定どおり達成しようという意欲さえ滲んでおり、そら恐ろしいものを感じるよ。「ダイエットにやり過ぎはない」といった思想は何とかならないものか” マジで勘弁してくれ
  • 回復期の緊縮・ハシモトデフレから25年 - 経済を良くするって、どうすれば

    マイナスに及ぶ異次元の金融緩和、世界一の政府債務比率の財政出動、これだけやってもダメだから、ムダなんだというのは、よく聞くが、高級材を使えば必ずうまい料理になると言うのと似て、使い方が大事なことを忘れている。不況期には思い切った財政出動をしても、回復しだすと急激な緊縮をかけて失速させる。こういう拙い運営をしているから、大借金とデフレの共存となる。それは、今、やろうとしていることでもある。 ……… デフレ脱却の最大のチャンスは2014年だった。民主党政権末期の2012年10-12月期を底として、円高是正を背景に輸出が急回復し、公共と住宅の建設投資も増え、消費も伸びていったからだ。2014年4月に消費増税をしていなければ、輸出増は更に3四半期続いたので、デフレ脱却となっていただろう。逆に言えば、なぜ、大チャンスを緊縮財政で潰さなければならなかったのかである。 無謀な消費増税計画は民主党政権が

    回復期の緊縮・ハシモトデフレから25年 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2022/01/10
    "急速な緊縮を避けるために再分配を行う制度のなさが難しくする。欧米では、とっくに実現している勤労者皆保険も、低所得者への定額還付の制度もなく、毎度、そのとき限りのバラ撒きを繰り返す"
  • キシノミクス・今年は大拡張のち急緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば

    11月の鉱工業生産の資財(除く輸送機械)は、停滞しているように見える。輸出主導の景気回復は頭打ちになったかもしれず、ちょっと心配である。輸出は、コロナ禍の日経済の支えとなってきたが、いつまでも頼れるものではないから、内需主導の成長に波及させていかなければならない。当面のマクロ運営は、コロナ対策で大拡張ではあるが、その剥落後が見通せず、急緊縮へと移って行くことになろう。 ……… 11月は、自動車の制約の解消によって、輸出と生産が高まったが、制約前の水準に戻ったということであり、更に伸びて、引き続き景気を牽引できるかは、また別の問題である。その点、資財(除く輸送機械)は、11月が前月比0、12月予測が-1.4である。10-12月期は前期比-1.9とマイナスだ。1月予測は+14.8と跳ねるが、春節の時期でもあり、当に最高水準を抜いて行くかは、慎重に見るべきだろう。 他方、建設財は前月比-

    キシノミクス・今年は大拡張のち急緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2022/01/02
    ”アベノミクスの失敗が回復期の緊縮であったように「新しい資本主義」も緊縮に墜するのかも” ”「どうして、消費も物価も賃金も上がらず内需が不振なのか」と首を傾げ続けるだろう。二十五年一日そうだった"
  • 緊縮速報・破綻懸念をよそに財政は急速に回復 - 経済を良くするって、どうすれば

    12/20に公表された7-9月期資金循環では、一般政府の資金過不足が季節調整値で-5.4兆円まで縮まり、一気に前期から6.1兆円改善した。水準は2014年頃と変わらないレベルである。むろん、同日に成立した補正予算の執行によって、再び不足幅が拡がるとしても一過性で、コロナ前のGDP比-2%程度を超える健全財政へ向かう。財務次官の破綻懸念どころか、先々の急速な緊縮による成長の委縮が心配されるところだ。 ……… 誰かの借金は誰かの貯蓄であるから、7-9月期は、政府の借金が減った分、家計と企業の貯蓄も減って、コロナ禍前に近いレベルに戻ってきた。海外は借金が幾分少なくなっている。リーマンショックの際は、政府の高水準の「赤字」が長く続いたが、今回は、谷が深かったものの、戻りは早い。それとは裏腹の関係となる企業の過剰についても、異様さが尾を引いた前回とは違い、短く済みつつある。 財政収支が改善した背景に

    緊縮速報・破綻懸念をよそに財政は急速に回復 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/12/29
    "財務次官の懸念をよそにコロナ対策が一過性のものである以上、税収の好調さを踏まえれば破綻はほど遠く" "アベノミクスの成果の一つは2度の消費増税によって名目2%成長で社会保障費の自然増を賄えるようにしたこと”
  • 7-9月期GDP2次・日本は的を外し続ける - 経済を良くするって、どうすれば

    賃上げ税制は、やる前から効果は限定的と言われる。他方、米国では、大規模な財政出動による需要増で、物価が上がり、人手が足りず、高賃金へ移り、金融緩和の正常化が見えてきた。なぜ、日は法人減税にこだわるのか。勤労者皆保険の米国と違って、手段となる再分配のインフラが整ってないだけでなく、成長はすべて産業政策で行うという旧態依然たる認識の狭さにある。 ……… 7-9月期GDP2次速報では、家計消費(除く帰属家賃)は下方修正されて、20年前の水準まで低下した。もっとも、コロナ前の水準ですら、「悪夢」のような民主党政権の2012年より低くなり、アベノミクスの7年間の成果をすべて消費増税で吐き出す形となっていた。今後、コロナ前の水準へと戻したにしても、ギャップは更に8兆円ある。来は、これをどう埋めるのかが政策課題になるはずである。 しかも、明らかに、8%消費増税後、家計消費の増加トレンドは寝てしまって

    7-9月期GDP2次・日本は的を外し続ける - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/12/22
    "なぜ、日本は法人減税にこだわるのか。勤労者皆保険の米国と違って、手段となる再分配のインフラが整ってないだけでなく、成長はすべて産業政策で行うという旧態依然たる認識の狭さにある"
  • 設備投資の外で生まれる経済成長 - 経済を良くするって、どうすれば

    みずほR&T・門間一夫さんの「経済成長のためには生産性を高めることが必要だという議論は、完璧に正しいが、無内容」*は至言だね。このトートロジーは、「どうすれば経済成長を高められるのか当はよくわからないという不都合な真実を、生産性という言葉のクッションでとりあえず和らげるもの」というわけだ。そうした顛末に陥るのは、経済成長は設備投資の外でも生まれている不思議なメカニズムが知られていないためだと思う。 ……… 自動車会社が優れた製品を生産して輸出を伸ばしたとする。これでGDPは増え、経済は成長する。その背景には、研究開発や設備投資があるだろう。普通にイメージする成長と生産性の関係は、こうしたものだ。それは正しいし、成長のために、研究開発や設備投資を増やせとする主張も的を射ている。しかし、成長は、それだけではないし、それ以外の部分の方が存外に大事なのである。 輸出が伸びて売上げが増したので、自

    設備投資の外で生まれる経済成長 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/11/28
    ”円安もあって輸出は伸び、あまり知られていないが、GDPの設備投資比率も高まっている。ある意味、成長戦略は大成功を収めている。他方で、財政再建を性急に進め、消費増税などで徹底して「給料」を削ってきた”
  • 必要なのは単純でない財政 - 経済を良くするって、どうすれば

    一律給付金は貯蓄に回り消費押し上げず、格差拡大よりも全体的な所得低迷が深刻という経済教室での小峰隆夫先生の指摘は、まさに、そのとおり。しかし、成長のためには、単純に財政支出を増やしたり金融を緩和したりすれば達成できるわけではなく、産業・企業の新陳代謝や規制改革を急げとされても、徒労感が漂う。そういう産業政策も散々やってきたわけであるから。 ……… 経済対策は40兆円に膨張し、財政支出だけでも30兆円になるという。普通に考えれば、名目GDPの5.5%にもなるから、景気が急加速し、供給制約で混乱が起こってもおかしくない規模だ。しかし、そんな心配がまったく出てこないのは、良かれ悪しかれ、経済対策を打っても、政府から家計や企業に資金が移転するだけで、消費や投資に結びつくことはなかろうと、誰もが思っているからだろう。 例えば、中小企業向けの3兆円の給付金は、常識的には、コロナ禍で膨らんだ借金の返済に

    必要なのは単純でない財政 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/11/14
    ”巨額の対策の剥落とともに、緊縮の調整をしなければならない。恒久的な再分配の制度を整えておかないと、とても対応できず、成長にブレーキをかけてしまう。このような単純でない財政のコントロールが欠かせない”
  • 新しい資本主義の作り方 - 経済を良くするって、どうすれば

    新自由主義の特徴が小さな政府、金融緩和、規制緩和だとすると、それを否定する「新しい資主義」は、再分配、需要管理、持続性の回復となろうか。それにしては、「新しい資主義実現会議」のメンバーに、社会保障の専門家はおらず、新しい産業を創造しようという経済界の方々ばかりである。「まずは成長」ということかもしれないが、分配が上手く行われないがゆえに、成長が滞るというのが現実である。 ……… 「新しい資主義」に必要なのは、勤労者皆保険と定額還付である。パートや零細の従業員は加入できずに国保国年だし、保険料と消費税は所得控除がなく、低所得者にきついため、同じ機能を果たす定額還付が不可欠だ。欧米では既に実現していて、日だけが遅れている。欧米なら、あとは資課税を強化すれば、「新しい資主義」ができ上がるが、日が求められるのは、得意だったはずのキャッチアップである。 金融緩和は資産価格の高騰を招いて

    新しい資本主義の作り方 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/10/17
    ”「新しい資本主義」に必要なのは勤労者皆保険と定額還付である。パートや零細の従業員は加入できずに国保国年だし、保険料と消費税は所得控除がなく低所得者にきついため同じ機能を果たす定額還付が不可欠だ"
  • 巨額経済対策のリアリズム - 経済を良くするって、どうすれば

    財務次官が「巨額経済対策は必要か」と述べて話題となっているけれど、結論から言うと、数十兆規模の経済対策は必要ない。それが当に需要になるなら。もし、GDPの4~5%もの需要が一気に追加されたりすると、供給が追いつかなくて、経済は混乱をきたしかねない。むろん、実際の経済対策は、融資などを含んで膨れ上がっていて、そのまま需要になるわけではないから、心配は無用なのである。 ……… それでは、追加的に必要な需要はどのくらいか。消費増税後コロナ前の2019年10-12月期GDPと、直近の2021年4-6月期GDPを比較すると、-8兆円ほどだから、これが目安になる。そのうち、民間住宅が-1.2兆円、設備投資が-1.7兆円である。住宅は消費増税後の落ち込みから回復してきたし、設備投資も輸出の好調さから伸びが期待されるので、意外かもしれないが、政策的に引っ張り上げるまでもないように思う。 問題は、8兆円も

    巨額経済対策のリアリズム - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/10/11
    ”岸田政権が「勤労者皆保険」を目標にする以上、低所得でも無理なく厚生年金に加入できるよう、低所得での保険料の軽減措置を導入せざるを得ないと見るからである。そうでないと、実現はいつになるか分からない”
  • 年金・改革主義の亡霊 - 経済を良くするって、どうすれば

    自民党総裁選は、9/29の選出を目指し、政策論議がたけなわだが、年金が論点になるとは思わなかった。しかも、一昔前に葬られた税方式と積立方式を組合せた改革案の復活とはね。理屈としてはスッキリしていても、少子化が年金財政に与える問題の質を外した「間抜けな」提案に過ぎない。ここに迷い込んだために、いかに時間をムダにしたことか。それを繰り返さないことを祈らずにはいられない。 ……… 現在の賦課方式を積立方式に変える過程では、親の年金を負担しつつ、将来の自分の年金を蓄える「二重の負担」が避けられない。しかし、支えてくれる子供を持つ者にとっては、わざわざ積み立てる必要性がない。「二重の負担」は、子供を持たず、蓄えに頼るしかない者がすれば、十分なのである。全体の3割程の子供を持たない者のために、なぜ、全員が方式を変えて「二重の負担」をしなければならないのか。訳が分からないだろう。 では、現在の制度で、

    年金・改革主義の亡霊 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/09/29
    ”少子化対策の欠陥は、非正規の女性には育児休業給付がないことである。生活の保障なしに、どうやって子供を持てというのか。対象を拡大するのに1兆円もかからない”
  • 緊縮速報・次に待つのは年金の緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀の金融緩和は、デフレ脱却には失敗したが、金融資産を膨張させることには成功した。その恩恵は、厚生年金にも及んでいる。2020年度の厚生年金の決算では、積立金の時価は、34.8兆円もの増となった。日銀を味方にして資産運用ができたら、最強だよ。政府は、コロナ対策ために、国債を追加し、支出を46兆円伸ばし、借金を多くした一方、資産も大幅に増やしていたのだから、財政破綻の片鱗さえ見られないのも当然かもしれない。 ……… 2020年度の厚生年金の決算から、フローの動きを見ると、保険料収入等が42.6兆円と前年度比-0.51兆円となった。被保険者数は微増、平均報酬月額は横バイであることから、コロナにより延納を認めたためと考えられる。他方、保険給付費等は42.9兆円と+0.14兆円の増にとどまり、+0.2%増の年金額改定と大差ないものだった。この結果、収支は、10年ぶりの拡張財政となり、-0.34兆円

    緊縮速報・次に待つのは年金の緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/08/09
    ”毎月勤労統計の常用雇用や給与総額の動きからすると、保険料収入等は前々年度と比較して+1%程が見込め、保険給付費等は前年度比-0.1%減の改定幅並みとすると、収支は+0.6兆円の黒字まで回復し、1兆円近い緊縮財政に”
  • 緊縮速報・オリンピックまでにしたかったこと - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀副総裁となって「リフレ」によるデフレ脱却に取り組み、2%の物価安定化に失敗した岩田規久男先生は、新著『日型格差社会からの脱却』の中で、緊縮財政が金融緩和を相殺したとして、赤字縮小を急ぐなとする。これは、言うのは簡単だが、相当な意志を持ち、数字を把握し、戦略的に政策化しないと、とても防げない。あえて特別な対応をしないと、景気回復の芽を摘むほどの急速な緊縮に陥る構造を、日は持っているからであり、それが、1997年以来、繰り返されてきた歴史でもあるからだ。 ……… 需要管理の基は、税収を的確に把握することだが、7/21に公表された「中長期の経済財政に関する試算」では、2022年度の国の税収を61.4兆円としていて、前々年度から+1.0%しか増えていない。この間の名目成長率は5.6%、企業業績見通しの経常利益が2年連続2桁増の予想であることを踏まえると、いかにも少ない。これらを基にすると

    緊縮速報・オリンピックまでにしたかったこと - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/07/25
    ”急速な緊縮になるのを防ぐには、税収の上ブレを還元する必要がある、その手立てが補正予算だが、3~4兆円は例年の規模であり、これを超えないと支出が縮小してしまう”
  • 財政出動はなぜ効かないと言われるのか - 経済を良くするって、どうすれば

    7/16に2020年度の地方税収入決算見込額が公表され、前年度比-0.7兆円であることが判明した。コロナ禍にもかかわらず、増税に伴い地方消費税が+0.6兆円、個人住民税が+0.2兆円だったのに対し、地方法人二税と法人譲与税が合わせて-1.5兆円だったことによる。ただし、この減少は、計上年度のズレによるもので、今後、国税と同様、大きく伸び、緊縮が強まることになる。 ……… 「金融政策は効かない」と言うと、「財政出動だって効かない」と、突っかかって来る人がいるのだが、金融政策には使い方次第のところがあるように、財政出動も規模やタイミングによって、効くかどうかが決まってくる。日の場合、「どうして、こんなにダメなんだ」というくらい下手を重ねてきた。この拙劣さこそが膨大な国の債務を積み上げる結果にもなっている。 成長の原動力である設備投資は、需要リスクに強く支配される。経営者は、金利や産業政策など

    財政出動はなぜ効かないと言われるのか - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/07/18
    ”総選挙後の秋にも補正予算が組まれと思われるが、3~4兆円の追加では、例年並みであり、これに国と地方の5兆円の税収の増加分を加えて、ようやく、財政は中立に至る。こうした規模とタイミングは、「常識外れ」”
  • 金融政策はなぜ効かないのか - 経済を良くするって、どうすれば

    2021年度は、1500億円しか社会保障費を増やしていないのに、税収が前年度決算から3.8兆円も伸びる。一時的なコロナ対策から抜ければ、それだけ財政再建が進捗することになる。2022年度も、社会保障費の自然増は6600億円のところ、税の増収は3.2兆円にもなるはずだ。こうしたデフレを促進する緊縮財政を併用していては、弱い力しかない金融政策が効奏するはずもない。21世紀の経済政策は、全体を見なければならない。 ……… 経済学の2柱は、需要と供給を調節する価格メカニズムと、貯蓄と投資を調節する金利メカニズムなのだが、遺憾なく力量を発揮する前者と違い、後者は存在を疑うほど脆弱だ。なぜなら、設備投資は、需要リスクという別の力に支配されているからである。常識的にも、企業は需要を見ながら投資を決めているし、消費者も金利を見ながら消費と貯蓄の割合を決めたりしない。柱なのに、現実味の乏しい「理屈」なのだ

    金融政策はなぜ効かないのか - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/07/12
    ”リーマン後のオバマ政権の失敗に学び、十分な速度まで持って行くべく、このタイミングでの財政出動に踏み切った。しかも、内容を将来世代向けとしつつ、法人や資産への増税も打ち出して、赤字増大への不安も払拭”
  • スガノミクス・まっさきに税収が回復 - 経済を良くするって、どうすれば

    2020年度の国の税収は、2年前を上回り、過去最高の60.8兆円になった。コロナ禍で名目の家計消費(除く帰属家賃)が2年前より-8.2%も減っているのに、消費税収は+18.7%の増である。むろん、10%への消費増税によるもので、民のカマドを顧みず、しゃにむに財政再建を進めるニッポンの面目躍如たるところだ。これでも、消費が不振で物価が上がらないのは、日銀の金融緩和が足りないせいなのかね。 ……… 5月の鉱工業生産は前月比-5.9と大きめの低下となったものの、6,7月の予測は+9.1、-1.4という高水準になっている。これにより、4-6月期は前期比+2.5と、1-3月期の+2.7に続き、順調に伸びる見通しで、コロナ前の水準を回復する。なかでも、資財(除く輸送機械)は、4-6月期の前期比が+10.7と2桁に達する勢いだ。遅れていた建設財も、4-6月期には前期比が+3.3と、回復は加速していく。

    スガノミクス・まっさきに税収が回復 - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/07/05
    ”税収の上振れは、補正予算で産業政策に蕩尽するのではなく、社会保障の特会に組み入れ、低所得層の社会保険料の定額還付に使うべき”
  • 宣言解除後の感染防止策の見通し - 経済を良くするって、どうすれば

    6/20で緊急事態宣言は解除される。これに伴い禁酒令も取り下げられるが、飲み会が増えると感染が拡大してきた過去4度の経験を踏まえると、ワクチン接種が追いつかなければ、第5波と再禁止になる可能性が高い。禁酒令への不満が高まる中、「ほら、やっばり飲み会が原因でしょう」という教育過程を経て、改めて引き締めた上で、オリンピックに臨むというシナリオであろう。 ……… 営業規制を強いられる居酒屋の経営者には気休めにしか思えないだろうが、政府は、ギリギリまで国民に飲み会をさせようとしているように見える。なぜなら、リスク度の高い行為にもかかわらず、シンプルに「飲み会を控えて」とは決して言わないからである。いわば、需要側は抑制せず、供給側を管理するだけで、感染防止と飲み会を最大限両立させようとしている。その象徴が悲劇を生んだ「マスクで会」である。 マスクなしで15分会話しただけで濃厚接触者になるのに、マス

    宣言解除後の感染防止策の見通し - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/06/21
    "居酒屋の経営者には気休めにしか思えないだろうが政府はギリギリまで国民に飲み会をさせようとしているように見える。なぜならリスク度の高い行為にもかかわらずシンプルに「飲み会を控えて」とは決して言わない”
  • 人生の短さと国債と通貨のバブル - 経済を良くするって、どうすれば

    日経でお見掛けして以来、櫻川昌哉教授は慧眼の持ち主だと思っていたので、新著『バブルの経済理論』を書店で見つけたとき、齢だから分厚いのはきついけど、著者名だけで買ってしまった。むろん、期待どおりの中身の濃さであり、コラムの見方とは違うが、むしろ、深く考えられた別の思索に出会うことこそ、最も喜びとするところだ。キーコンセプトは、「長期金利<名目成長率」が生むバブルの経済である。 ……… 一つの謎は、日の政府債務がGDP比270%という飛び抜けた巨大さなのに、インフレになるどころか、国債の長期金利がゼロに張り付いていることだ。コラムの見方は、「設備投資は、収益率ではなく、需要に従ってなされる」という独自のものだから、大して謎でもなく、日銀がいくら金融緩和をしても、財政が緊縮で消費を冷やすので、設備投資ブームも物価上昇も起こらず、ゼロ金利は続くというものである。 巨大債務と緊縮財政の同居は、

    人生の短さと国債と通貨のバブル - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/05/30
    "巨大債務と緊縮財政の同居は、矛盾に感じるかもしれないけれど、危機のときに大規模に出動し、回復し始めたら急速に締め、成長加速の芽を摘むのを繰り返せば、出来上がる。日本は、1997年以来、これをやってきた"
  • 政治が合理主義でなくなったとき - 経済を良くするって、どうすれば

    政治学の理論は、現実を的確に要約し、将来の見通しをつけるのに有用だ。宮太郎先生の『貧困・介護・育児政治』は、社会保障が拡充される過程を、「例外状況の社会民主主義」、「磁力としての新自由主義」、「日常的現実の保守主義」の三つの主張のせめぎ合いで分析して見せる。俗に言うと、財源論に阻まれて、例外状況でしか望みがなく、日常の忍耐を是認しがちというところか。デフレと少子化を脱するには再分配が必要と考えるコラムの立場からすると、明るい未来がなさそうなのが悲しい。 ……… それにしても、社会保障の拡充は、どうして、ここまで人気がないのか。大衆の利益になる政策なのだから、大きな勢力になっておかしくないはずだ。理由の一つは、日は失業率が低く、非正規で低賃金であるにせよ、働けなくはないからである。つまり、ギリギリの自助の余地があり、社会保障が必須ではない。むろん、そんな待遇では、結婚もおぼつかないか

    政治が合理主義でなくなったとき - 経済を良くするって、どうすれば
    kaikaji
    kaikaji 2021/05/09
    "社会保障が拡充される過程を「例外状況の社会民主主義」「磁力としての新自由主義」「日常的現実の保守主義」の三つの主張のせめぎ合いで分析" "財源論に阻まれて例外状況でしか望みがなく日常の忍耐を是認しがち"