拉致被害者家族の期待は高まる一方だが、安倍首相はどう応えるつもりなのか。「適切な時期に日本と対話をして、関係改善を模索する用意がある」という北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の発言が波紋を広げている。国連総会が開催中の米ニューヨークでは26日午前(日本時間27日未明)、河野外相が李容浩外相と「約20分間」「着席した形」で会談したと大ハシャギだったが、雲行きは相当に怪しい。 金正恩の発言は今月中旬の南北首脳会談で文在寅大統領に託されたもの。日朝外相会談に先立つ日韓首脳会談で文在寅が安倍に伝えた。金正恩は史上初の米朝首脳会談でも「安倍首相と会う可能性がある。オープンだ」と言及していて、さらに踏み込んだ格好だ。ところが、これを受けた安倍は「北朝鮮との相互不信の殻を破り、金正恩委員長と直接向き合う用意がある」と紋切り型の対応でやり過ごしたという。日朝対話にまったくヤル気が見えないのだ。 拉致問題に詳し