ひまわり畑を背に佇む麦わら帽子と白いワンピースの少女との思い出はないけれど、自分の「夏」くらいは持っておきたい。 山梨の田舎に帰省したり、部活の合宿で琵琶湖周辺行って川遊びしてたのも夏っぽくはある。 でもあんまり夏の思い出という感じがしない。 それよりは小学校の夏休みに友達と学校のプール行って、ビート板でトンボ叩き落として腹抱えてゲラゲラ笑い転げてた方がなぜか鮮明に覚えてる。 小学生のおれ達にとって、そういう動物虐待は見つかったら叱られる結構な罪だったかもしれない。 水面上をブンブン飛び回るトンボを見て、どちらが始めるともなくビート板で襲い始めた。 高速で動くトンボにはよもや当たらんだろうと思っていたから、クリーンヒットした時には妙におかしくてたまらなかった。監視員の目線を気にかけつつ、「不良体験」の喜びにはしゃいでた。 高校の頃、真夏のど真ん中のクソ暑い日に友達と本牧へ釣りに行ったのもよ