映画「平和記念都市ひろしま」のワンシーン。1948年の平和祭(平和記念式典の前身)で手を合わせる人たち=川崎市の川崎市市民ミュージアムで、久保玲撮影 原爆投下から3年後の広島を描いた記録映画が、川崎市市民ミュージアム(同市中原区)に収蔵されていることが分かった。広島市などが製作したが、原爆の報道を規制した連合国軍総司令部(GHQ)に公開を禁じられ、所在不明になったとみられる「ノーモア・ヒロシマズ」の再編集版の可能性が高い。専門家は「戦後の空白を埋める貴重な映像資料」と評価している。同ミュージアムは詳細の解明作業を始めた。 秋元憲監督(故人)の「平和記念都市ひろしま」(内外映画社、モノクロ30分)。弁士の徳川夢声さんがナレーターを務め、広島市公文書館に脚本案だけが残るオリジナルの「ノーモア・ヒロシマズ」と同じく、広島商工会議所や広島県、広島市でつくる「広島建設委員会」の製作となっている。 映