年末から正月にかけて、東京・日比谷公園に「年越し派遣村」が設営され、派遣切りされて行き場を失った人々が続々と集まったのは連日報道された。その数は当初予想された人数の3倍近くまで達し、あらためてこの問題の深刻さをうかがわせた。なかには所持金が10円しかないという人や、それまで住んでいた寮まで追い出されて行くあてがなく、このまま野垂れ死にするしかないと諦めかけていた人もいた。 そう言う人々にとって、善意で開かれた「年越し派遣村」はほっと安心できる場所であったに違いなく、1600人も集まったボランティアの人々に接することは、少なからず心の救いになったはずである。 ほんらいならば、契約途中での雇い止めなどはあってはならないものだし、契約が終わったのだから年末であろうと寮からも出て行けと迫るのは人の心を踏みにじる冷たい仕打ちであって、決して容認されるものではないはずだ。 けれども、去年は9月以来の異