◇進むボランティア 東日本大震災の津波で被災した沿岸部から回収した柱やはり材を和太鼓の胴部に使うなどして楽器を作り、被災地の演奏グループに贈るボランティア活動が進んでいる。美里町の邦楽曲制作・演奏企画会社「3Dファクトリー」(佐藤三昭社長)の「ZERO-ONE瓦礫(がれき)再生プロジェクト」。全てを失った被災地が音楽を糧に一歩を踏み出すようにと、地域再興の願いを込める。 同社の千葉秀プロデューサー(46)によると、5月中旬に津波で器材を流された石巻市雄勝など幾つかの和太鼓演奏グループを知った。このままでは太鼓の響きが沿岸部から消えると危惧し、回収した柱などを使った和太鼓や三味線を作って贈ろうと発案した。 この趣旨に東京都台東区の老舗の和太鼓製作店「宮本卯之助商店」などが賛同。雄勝や東松島市、涌谷町などのがれき集積所に関係者が訪れ、市側の許可を受け使える資材を集めた。和太鼓の胴部に充てる材料