立憲民主党は今、難しいかじ取りを迫られている。昨年10月の衆院選で議席を大幅に減らし、旧民主党の源流を同じくする国民民主党は与党に急接近しているからだ。一方で支持団体の連合は共産党との連携に否定的で野党がまとまる兆しは見えない。その中で今夏の参院選にどう臨むのか。野党の役割とは何か。ジャーナリストの池上彰さんが、立憲の泉健太代表(47)と対談し、目指す政治について語り合った。【構成・宮原健太】 池上 国民民主は与党と連立したいように見えますが、最近の動きをどう分析していますか。 泉 野党としての役割を忘れて漂流してしまっている気がします。ガソリン税の一部を引き下げる「トリガー条項」の凍結解除という取引ができたと、政府の当初予算案に賛成しているわけですが、現時点では取引はできていません。賭けに出たと言えば聞こえはいいですが、やはり野党としての役割を放棄してしまった。たった一つの取引条件で当初