幻の文芸大作がスクリーンによみがえる(C) Films Sans Frontieres ノーベル賞作家アルベール・カミュのベストセラーを、イタリア映画界の至宝ルキノ・ビスコンティ監督が名優マルチェロ・マストロヤンニ主演、ヒロインにアンナ・カリーナを据えて1967年に映画化した「異邦人」。本作のデジタル復元版で本邦初公開となるイタリア語バージョンが、3月5日から公開される。 20世紀文学の傑作のひとつとして知られる原作は、現代人の生活感情の中に潜む不条理の意識を巧みに描き大反響を巻き起こした。ビスコンティの長編8作目となる本作は英語版で1968年9月公開。それ以降は1970年代に短縮日本語吹き替え版がテレビ放映されたが、複雑な権利関係や散逸してしまった映像原版など様々な理由でソフト化されず、映画ファンの間では幻の作品となっていた。 カミュの原作が発表された年は、奇しくもビスコンティの監督デビ