アラブ諸国で連鎖的に発生する市民革命。そもそもの発端は、食糧不足に対する国民の不満だった。世界を見渡せば、食糧不足とそれに伴う食糧価格の高騰が、かつてないほど深刻化している。原油など資源価格の高騰には敏感な我々日本人も、食糧問題となると現状を詳しく知らない人が多いのではなかろうか。しかし、日本にとって食糧不足は無視できない深刻な問題だ。東日本大震災の影響により、一部の食糧に供給不安が囁かれている今だからこそ、我々は目の前の食糧問題と真剣に向き合わなければならない。資源・食糧市場に精通する丸紅経済研究所の柴田明夫代表に、食糧の現状と課題について詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也、撮影/宇佐見利明) しばた・あきお/丸紅経済研究所代表。1976年東京大学農学部卒業、丸紅入社。鉄鋼営業部門、調査部門などを経て、2006年より現職。原油、非鉄金属、食糧など商品市場分析の第一