カズは日本経済新聞のスポーツ欄に連載記事を書いている。二週間に一度、隔週の連載で、本書はその連載記事5年分をまとめたものだ。新聞でも目に入れば読んでいたが、改めて一冊の本にまとまったものを読むと感慨深い。 39歳、横浜FCをJ1へ 本書がスタートするのは2006年。この年カズはシドニーFCへのレンタル移籍を終え帰国、そして横浜FCで選手兼監督補佐を勤める。 この時カズは39歳。39試合に出場し、チームを初のJ1昇格へと導いた。 この年はチームがJ2で優勝してJ1に昇格するという歓喜の一年だったため、カズの言葉にも勢いがあり、強いメッセージが多い。 「優勝争いに加わるだけではダメだ、やっぱり勝たなければダメだと思い知らされるんだ」 「FWにはそういう強引さも必要なんだ。本能のままにぶっ飛んでいくような無鉄砲さ」 そういった言葉の裏で、今のカズとは異なる側面も覗く。これぞ歴史ということだろうか