夏みたいな風が吹く日、ラジオから流れるヒットチューンみたいに空に溶けてったおっさん。 スウィート・ソウル・ミュージック。 市営グランドの駐車場。 お疲れサマーだったぜ、ベイビー。ちょっと泣くよ。
夏みたいな風が吹く日、ラジオから流れるヒットチューンみたいに空に溶けてったおっさん。 スウィート・ソウル・ミュージック。 市営グランドの駐車場。 お疲れサマーだったぜ、ベイビー。ちょっと泣くよ。
1------------------------------男はだいぶ鼻息が荒くなっていた。飲みすぎるといつでもそうなるのと、あまり他人の目もどうでもよくなって気にしなくなるのと両方なのだけど、電車のつり革に両手でつかまりダランと頭を下げてぶらぶら揺れながら、ふんぐーと前に座るおっさんのメガネを曇らせる勢いでアルコールの息を吐いている。クリスマスイブだけれど電車は今日もオッサンたちでそれなりに混んでいる。今日は本当はあっさり帰るつもりだったのに、夕方近く飛び込んできた仕事を、まー予定もないし、いーですよやっときますよ、と引き受けてチャカチャカやっているうち気がつけばフロアには数人しかのこっておらず、なんとなし集まったそのそれほど好きでもない男の同僚たちとでダベっているうち、何だよみんな今日予定ねーの、んじゃさびしいヤツらだけで飲みにいこーぜー、ええーマジでー、キモくねー、とそれこそ気持ち
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