ただ、野田首相が党運営を委ねている輿石幹事長は、一川氏の続投を求めている。首相は、党内世論と輿石氏の意向の両方をにらみながら“着地点”を探るとみられる。 一川氏は、1995年に沖縄県で起きた女児暴行事件について「正確な中身を詳細には知らない」と答弁するなど、防衛相としての資質を疑わせる言動を繰り返している。このため、民主党内では「国民世論を考えると、かばいきれない」との声が広がった。 前原政調会長が3日、「勉強不足が過ぎる」と批判したのは、多くの民主党議員の気持ちを代弁したものといえる。若手議員は「進退問題を長引かせるほど、世論の批判が民主党にも及ぶ。問責決議案の可決前に辞任すべきだ」と語った。 これに対し、輿石氏は「野党の問責決議を怖がって閣僚を交代させるのはおかしい」と周辺に漏らし、一川氏を擁護している。輿石氏らは、今国会で成立させるべき法案の道筋は付いたと判断しており、9日に問責決議