【カイロ=大内清】リビアの最高指導者カダフィ大佐は、長年の「盟友」であるオベイディ公安書記(公安相)にも離反され、四面楚歌に陥った。41年にわたり同国を支配してきた独裁者に生き残りの手立ては残されているのか。 「アブドルファッターフ・ユーニス(オベイディ公安相)はどこにいる? 裏切り者(反体制派)に殺されてしまったのだ!」 カダフィ氏は22日の演説で何度か、1969年のクーデターで政権を奪取した当時からの腹心であるオベイディ氏に言及した。 そのオベイディ氏は数時間後、北東部ベンガジからの声明で、「私は生きている」と反論。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤとの電話インタビューでは、カダフィ氏が自分を暗殺しようとし、間一髪で命拾いしたとも明らかにした。 この暗殺未遂が起きたとされるのはカダフィ氏の演説の前後。カダフィ氏はその忠誠を疑ったオベイディ氏を暗殺し、その責任を反体制派になすりつけようとし