企業年金運用会社のAIJ投資顧問(東京)が顧客の預かり資産約2千億円の大半を消失させた問題で、旧社会保険庁(現・日本年金機構)OBが複数の年金基金の幹部に、AIJに資金の運用を委託するよう勧めていたことが2日、このOBへの取材で分かった。 AIJは、OBが運営するコンサルタント会社に資本金の半分を出資。社員を派遣し給与も支払っており、密接な関係にあった。同庁の幹部23人が、1999年8月~2010年9月までの約11年間で、全国の厚生年金基金の常務理事などに天下りしていたことも判明、同庁OBのネットワークでAIJによる被害が拡大した可能性が出てきた。