知らなかった。『漢書』の文庫本は在庫切れになっていたんだ。おなじ筑摩書房の文庫でも『史記』の方は在庫がまだあるらしいのに(本紀は筑摩書房のサイトでは在庫切れのようだが)。いやはや、なんというか、ご愁傷様です。 中国では『漢書』と『史記』は併称され、どちらもよく読まれた書物なのだが、日本ではなぜか『史記』の方が有名で、『史記』の方が断然おもしろいという人もいる。ということで、『漢書』の在庫がなくなるのもまたやむを得ぬところだろう。 かくいう私は『史記』よりも『漢書』の方が好きだったりする。もちろん『史記』も好きなことは好きだ。例えば本紀の経書とだぶる部分とか、世家の一部(斉・魯などの聖賢の時代と関わる部分)、あるいは孔子世家と孔子弟子列伝などなど。ただし戦国期以降の『史記』は読む気にならない。『史記』には独特の土臭さがある。面白いと思える人はそこが面白いのだろうが、私はその土臭さがたまらなく