その場の損得で行動を決定する打算的な人なり国なりが、果してどこまで他国からの信頼を得られるだらうか。 Archives - 内田樹の研究室 この記事を賛意を添へて紹介された乱土さんのことをどうかうは思はないけれど、自分はかうした問題を「国益」のみの観点で扱ふ姿勢そのものに大きな疑問を感じる。 国益のためといふなら、日本が戦争を起こして負けて現在の「問題」に至つたのだつて、当時の国益には沿ふものと考へられてゐたはず。そこから遠い未来である現代になつてその是非を問ふことが無意味だとは言はないが、では今「国益」とやらに従つた行動をとつて、それが五十年なり六十年後にどう評価されるかまで責任が取れるのだらうか。 そも、国益に適つたかどうかの判定はいつ誰がするのか。経済の話で、短期的に儲つてゐてもそれ自体が大きな落し穴への布石だつたなんて事例には事欠かない。そんなこと誰だつて知つてゐるのに、少し隣の国