去る11月8日に気谷陽子先生が亡くなられた。享年64歳。僕は彼女の生前の最後の3年半ほどを仕事を通じて知っているだけで、このような話をネットで告知するようなかたちとなることには少々ためらいはあるのだが、彼女の講義を受けた人も多くいるはずであり、追悼の意味でここに記しておきたい。 気谷先生は長らく筑波大学図書館に勤務し、その間に図書館情報学の博士号も得ている。実務経験と研究業績を兼ね備えた図書館の専門家だった。定年退職の前後から南関東のいくつかの大学で非常勤講師をはじめ、獨協大学、専修大学、聖学院大学など司書資格課程を置く大学で教鞭をとった。もっとも目立った仕事は、放送大学での講義「情報メディアの活用」の講師だろう。同タイトルの教科書では山本順一先生との共編著者として名を連ねている。放送大学での講義は今年7月末にも放映されており、それを見た知人は「おそらく撮影時期はずっと以前だろうが」と断っ