エンリコ・モレッテイ著『年収は住むところで決まる』(プレジデント社)を読み終えました。地域格差の問題に関心を持っている者として,とても勉強になりました。 この本に載っているグラフはどれも衝撃的なものばかりで,日本版を作りたくてウズウズします。本書の主張の一つは,特定地域に富が集積する傾向が強まっている,ということですが,それを可視化する図法として,地域別の上位10位と下位10位の平均推移をとっているものがあります。 たとえば141ページには,大卒者の年収が1980年に比してどれほど伸びたかを,上位10位と下位10位の都市の平均推移で表されています。1980年から2010年にかけて,上位10位の群では2万ドル以上伸びましたが,下位10の群の伸び幅は1万ドルに満たないことが見て取れます。 私は同じやり方で,都内の中学受験率の地域変化を可視化してみました。早期受験の進行により,中学受験をする子ど