勝間和代氏の新刊『「有名人になる」ということ』(ディスカバー携書)は、私のように文筆をなりわいとしている人間からすると、かなり興味深い本である。 勝間氏は、一時、ベストセラーを連発し、時代の寵児としてもてはやされた。たんに本が売れただけではない。彼女の生き方は、現代女性にとって一つのモデルとなり、その生き方を真似ようとする女性たちは「カツマー」と呼ばれた。 ただし、最近では、彼女の本がベストセラーの上位に食い込むこともなくなり、カツマーということばがメディアをにぎわすこともなくなった。今回の本では、その顛末が語られている。なぜ彼女の本が売れ、また、売れなくなったかが分析されている。たしかに、こうした本は珍しい。 まず注目されるのは、勝間氏が、「有名人になる」ということをプロジェクトして位置づけている点である。彼女は、JPモルガン証券を退職した後、「SRI(社会的責任投資)ファンド」を立ち上
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