石川県能美市で2007年、男性を車でひいて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた同市の男性会社員(27)に対する判決が12日、金沢地裁であり、神坂尚裁判長は「被告がひいたことには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑・禁錮10月)を言い渡した。 判決などによると、会社員は07年6月10日未明、能美市の県道で乗用車を運転中、路上で横になっていた男性(当時73歳)の頭部などを左前輪でひき、死亡させたとして、同年12月に在宅起訴された。会社員は男性が倒れていることを通報しており、事故当初から「自分はひいていない」と主張。公判で検察側は、会社員の車に男性の肉片が付着していることから会社員の車がひいたと指摘したが、弁護側は会社員の前の車がひいたとし、付着していた肉片については「男性がひかれた際に路上に落ち、会社員の車が男性を回避した際に巻き上げて付着した可能性がある」と主張していた。