【西山貴章】難民認定に民間人の意見を反映させる「難民審査参与員」制度で、「難民と認めるのが相当」とされたミャンマー国籍の男性(35)について、谷垣禎一法相が9月に「不認定」と逆の判断をしていたことがわかった。2005年の制度導入以来、昨年末まで、法相が参与員の意見を覆した例はなく、極めて異例だ。 難民認定の申請は最初に法務省が審査し、判断に異議があれば、難民審査参与員に審査を申し立てられる。参与員は民間人3人1組で構成され、申請者から事情を聴き、法相に対応を進言する。意見は多数決で決め、法的拘束力はない。 難民を支援する全国難民弁護団連絡会議によると、ミャンマー国籍の男性は07年と09年に2回認定を申請したが、いずれも法務省が棄却。09年10月に参与員に異議を申し立て、3人のうち2人が「難民該当性は認められる」と判断した。