記事:明石書店 『朝鮮籍とは何か――トランスナショナルの視点から』(明石書店) 書籍情報はこちら 帝国の時代に朝鮮半島から日本に移り住み、「日本帝国臣民」と暮らしていた朝鮮人とその子孫(以下、在日コリアンという)は、1947年の外国人登録令の下で「外国人」に登録するよう通達され、そこで「国籍および出身地」を示す欄に「朝鮮」と記載されることになった。これは「朝鮮」が出身であることを示すものであって、国籍を意味するものではなかった。その後サンフランシスコ講和条約(1952年)によって、国籍選択権のないまま「外国人」になると、在日コリアンはどの国家にも帰属しない「朝鮮籍」という「籍」をもった人びとになった。すなわち戦後の在日コリアンは「日本帝国臣民」から「外国人」へと転じていくが、そこでどの国家にも帰属しない「事実上の無国籍」や「国籍未確認者」と言われる人びとになったのである。 70年以上続いて