アチャコ:また体重がちょっと増えました。 エンタツ:いくらくらいあります? アチャコ:最近、62キロですわ。 エンタツ:足も入れて? アチャコ:あたりまえやがな。タコ買いに行くんやなし。足だけ別に掛けるかい。 (秋田他2008『昭和の漫才台本』pp.22-23より) 1 社会言語学の研究と日常 社会言語学を専門とする人はよく周りの日常的なコミュニケーションから研究のアイデアをもらう。例を挙げよう。私自身はノルウェー出身だが、20年ほど前に留学生として初めて日本に来た時に映画館を訪ねた際、自分が笑うところは日本人と違うことに気が付いた。また、バーに行ってみて周りの人にふざけたことを言われて、ただ「は~」と答えると、その人に「そこつこっまなあかんで」とよくからかわれた。 これらの経験からいくつかの疑問や研究課題が湧いてきた。「日本と欧米の笑いはどこが違うのか」「日本の笑いにはどの特徴があるのか