法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。 今回は、法律と精神医学の両方が絡む問題について、黒猫が最近思っていることを書いてみようと思います。 1 「心神喪失」と「心神耗弱」 刑法39条は、1項で心神喪失状態にある者の行為を不可罰とし、2項で心神耗弱状態にある者の行為について刑の必要的減軽を定めています。この、心神喪失状態にある者は罰しないという考え方は、ローマ法時代からの伝統であり、ハドリアヌス帝の時代には、皇帝を刃物で切りつけようとしたある奴隷が、狂気に侵されているという理由で罪には問われなかったという逸話が残っています。 ところで、大審院昭和6年12月3日判決(刑集10-682)の定義によれば、心神喪失とは「精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力またはその弁別に従って行動する能力のない状態」をいい、心身耗弱とは「精
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