このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP本文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 問題意識 商取引においては、納品してから一定期間後に支払いを行う掛払いが一般的であり、企業間信用と呼ばれている。2008年秋以降の世界的な金融危機に伴い、金融機関の財務悪化による信用収縮が実体経済に大きな影響を持つことが再認識される中、金融機関貸出の代替的な手段ともされる企業間信用への注目度は意外にも低い。本論文は、こうした中で企業間信用を分析対象とし、経済産業研究所が実施したアンケート調査の個票データに基づき、買い手企業と売り手企業両方の情報を用いて、企業間信用の決定