タグ

ブックマーク / ryoto.hatenadiary.org (27)

  • ■ - for dust you are and to dust you will return

    人間不平等起原論 (岩波文庫) 作者: J.J.ルソー,Jean Jacques Rousseau,田喜代治,平岡昇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972/01/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (26件) を見るルソーの有名な著書。「人間のすべての知識の中でもっとも有用でありながらももっとも進んでいないものは、人間に関する知識であるように私には思われる。」(25)との一文で始まる。 高校で倫理の授業を受けた人ならば、彼が「自然状態」を理想としたことは常識として知っているだろう。しかしルソーの想定する「自然状態」とは少々、厄介なものである。 まず彼の「自然状態」とは、かつて歴史上に存在し得たものではないということに留意する必要がある。ルソーは言う、「まずすべての事実を無視して語ろう」(38)と。彼は「人間がありのままに言語や文化を持たずに、

    ■ - for dust you are and to dust you will return
  • ■ - for dust you are and to dust you will return

    法の精神〈上〉 (岩波文庫) 作者: モンテスキュー,野田良之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1989/08/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (16件) を見るモンテスキューは、古代ローマ帝国の政治形態を研究することで、政治の体制は、徳による共和政体、名誉による君主政体、恐怖による専制政体の3つに分類できるということを発見した。この中で共和政体は、さらに貴族政体と民主政体に分類できるという。ポリビュオスやアリストテレスの区分に比べると衆愚制と寡頭制が不足しているが、モンテスキューの区分では、前者は民主制に後者は貴族制に内包されるものなのだろう。 モンテスキューといえば、民主主義における三権分立を提唱した思想家として有名であり、君主制フランスの中で生活しながらも、これらの政体の中で民主政体を高く評価している。他の政体に対しての考察もなかなか興味

    ■ - for dust you are and to dust you will return
  • 2007-02-08

    世論〈上〉 (岩波文庫) 作者: W.リップマン,掛川トミ子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/07/16メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 43回この商品を含むブログ (35件) を見るウォルター・リップマンほど、「アメリカの大知識人」という呼称が相応しい人はなかなかいないだろう。 ハーヴァード大学では詩人T・S・エリオットや『世界を揺るがした十日間』のジョン・リードと同期で、当時ハーヴァードに講師で来ていたイギリスの政治学者グレハム・ウォーラスから強い影響を受ける。25歳で処女作を発表後、実務にも関わり、ウィルソンの14ヶ条の実に8ヶ条はリップマンが作成したもと言われる。第二次世界大戦後も、第一級の論客として活躍し、ジョンソン大統領がベトナム戦争を主導したときには、彼の政策を徹底的に批判し、その論争の様子は「リップマン戦争」とまで呼ばれた。 この『世論』(よろん)はリ

    2007-02-08
  • 2005-06-26

    この間、sedationさんとE-chikoさんがヴァルター・ベンヤミンの「暴力批判論」の話をされていた。 暴力批判論 他十篇 (岩波文庫―ベンヤミンの仕事) 作者: ヴァルターベンヤミン,野村修出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/03/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 50回この商品を含むブログ (77件) を見る正直、僕は理解力が低くて、ベンヤミンの高名な表題作を読んだとき、全く内容が頭に入らなかった。今読んでもいまいちわからない。とりあえず、英語サイトの力を借りることにする。 http://courses.nus.edu.sg/course/ellpatke/Benjamin/benjamin_violence.htm In more specific terms, his essay addressed the question of whether vio

    2005-06-26
  • ■ - for dust you are and to dust you will return

    権利のための闘争 (岩波文庫) 作者: イェーリング,Rudolf Von Jhering,村上淳一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1982/10/16メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 42回この商品を含むブログ (31件) を見る近現代の法律の底流をなすのは権利であり、いかに権利というものが重要なものであるかを、法学者ルドルフ・フォン・イェーリングはこの代表的な著書の中で主張する。そもそもドイツ語においては「権利」(right)と「法」(law)は同じ単語(recht)で表現される不可分な概念であり、その入り組んだ関係性を解きほぐすことが、まずは、このを読む学徒に求められることとなる。では、この「法学書」の主題となっている権利について、著者は具体的にどのようなことを主張しているのであろうか。 序文においては、権利を自覚せず、また怠慢によって希求することをやめた人々への痛烈

    ■ - for dust you are and to dust you will return
    microtesto
    microtesto 2007/02/06
    大学に入るまでに是非読んでもらいたい本。特に法学部・政治学部の人達には。
  • ■ - for dust you are and to dust you will return

    ドイツのユダヤ系哲学者カール・レーヴィットの「マックス・ウェーバーとカール・シュミット」を読んでいた。読みながら少し考えたことを。 マックス・ウェーバーの官僚制に関して重視すべきこととしては、彼が官僚制を「非人格的なのにも関らず良い」と考えていたのではなく、「非人格的であるからこそ良い」と考えていた点である。ジャン・ジャック・ルソーが出会った近代における、自己自身としての「人間」と集団における「公民」の乖離を、ウェーバーも意識しており、人間を公的な存在として捉えるときに非人格的な視点が必要になるということを彼は理解していた。 ウェーバーの理解を敷衍してみよう。近代社会において平等性が確保されるとしたら、それは個人の感情を排した非人格的な視野の中にしかありえない。官僚制の中においては、富む者も貧しい者も、男も女も、どのような性格の者であろうとも、どのような見た目の者であろうとも、彼/彼女が日

    ■ - for dust you are and to dust you will return
  • 2007-01-13

    忙しいので少しの間、更新を停止します。 と書いたら、更新したくなった……。 電車の中で以下のようなとりとめのないことを考えていた。 ある有名な学者が、「19世紀は物理や化学の時代であり、人間の内面よりも外面が重んじられ、医学の分野ではすべての病気は身体から発するものと考えられていた。それに対して、フロイトが登場し、精神分析学が誕生してからは、精神から発する病気があることもわかり、再びかつてのように人間の内面が重んじられるようになった」というようなことを書いていた覚えがある。 このように単純明快な説明は、確かに面白いとは思う。けれども、どう考えても、実際の思想史はそこまで単純ではない。「フロイト以前=科学万能主義、フロイト以降=精神の時代」という区分けはあまりにも強引だし、私は詳しく知らないけれども19世紀のヨーロッパ医学を調べてみれば、いくらでも反論できそうな気がする。だいたいフロイトが登

    2007-01-13