日本学術会議の分科会は29日、高校生物で学習する重要用語を、現在の約4分の1の512語に減らすべきだとする指針を公表した。重要用語が多くて「暗記科目」になっている弊害を解消し、思考力中心の学習にしたい狙いがある。 重要用語は「覚えなくてはならない語」として教科書で太字で強調されている。各学会が挙げた計2000語以上の重要用語から教科書会社が掲載する用語を選ぶ。分科会は、インターネットや論文での引用数などを参考に…
日本学術会議の分科会は29日、高校生物で学習する重要用語を、現在の約4分の1の512語に減らすべきだとする指針を公表した。重要用語が多くて「暗記科目」になっている弊害を解消し、思考力中心の学習にしたい狙いがある。 重要用語は「覚えなくてはならない語」として教科書で太字で強調されている。各学会が挙げた計2000語以上の重要用語から教科書会社が掲載する用語を選ぶ。分科会は、インターネットや論文での引用数などを参考に…
兵庫県明石市は6日、阪神大震災(95年)のがれき処理に公務で携わった40代の男性職員が中皮腫を発症したと発表した。がれき処理と発症の因果関係は不明だが、市は原因の一つである可能性があるとして、がれき処理に関係した職員192人を対象に、アスベスト(石綿)検診を実施する。職員は近く公務災害の認定を請求する。昨年の東日本大震災でも多くのがれきが発生しており、防じんマスクの着用など徹底したアスベスト対策が求められそうだ。 地方公務員災害補償基金兵庫県支部などによると、同県内で同様の訴えが認定されたケースはない。阪神大震災のがれき処理に従事した公務員で中皮腫の発症が表面化したのは初めてとみられる。 市によると、職員は当時、環境部でごみ収集を担当。震災直後の約3週間、市東部で家屋などのがれきをパッカー車に積み込む作業に従事し、その後の2〜3カ月間はがれきを仮置き場から処分場へ移動させる仕事をした。作業
川崎臨港署員が先月27日、川崎市のキリスト教会の敷地内に無断で立ち入ってフィリピン人の男を入管法違反容疑で逮捕し、その後に同署が「立ち入りは不適切だった」と教会側に謝罪していたことが12日、分かった。 県警によると、不法滞在している男がいるとの情報を得た同署員数人が、川崎市川崎区のカトリック教会の敷地内に入り、男に任意同行を求めた。男は応じず、パスポートを携帯していなかったため署員は入管法違反容疑で現行犯逮捕した。 教会側によると、司祭が「教会敷地内での捜査は信教の自由を侵す行為」などと署員に敷地内から立ち退くよう求めたが、署員は男への職務質問を続けたという。この日教会ではミサがあり、信者ら約40人が集まっていた。教会側は今月5日、同署に抗議と謝罪を求める文書を提出した。 抗議を受けて同署は12日、「司祭をはじめ当日集まった大勢の方にご迷惑をおかけしたことをおわびするとともに、署員への指導
死刑執行はどういう手続きを経て行われるのか。毎日新聞の情報公開請求に対し、法務省が開示した文書の半分余は黒塗りだったが、開示された部分からだけでもベールに包まれてきた流れがつかめる。一方、関係者や専門家からは開示について慎重な意見と、さらなる情報公開を求める意見が出された。【伊藤一郎】 死刑確定後、確定判決を出した裁判所に対応する検察庁の長(検事正や検事長)は、法相に死刑執行の伺いを立てる「上申書」を提出する((1))。開示された事例では、刑の確定から上申までの期間は1カ月半から5カ月半まで幅があったが、いずれも「執行命令は6カ月以内にしなければならない」と定めた刑事訴訟法の期間内に行われた。
付審判決定による全国初の裁判員裁判で、窃盗容疑の逃走車両に発砲し、助手席の高壮日さん(当時28歳)を死亡させたとして殺人と特別公務員暴行陵虐致死の罪に問われた奈良県警の警察官2人に対し、奈良地裁(橋本一裁判長)は28日、いずれも無罪(求刑・懲役6年)を言い渡した。 被告は当時巡査部長の萩原基文警部補(35)と同巡査長の東芳弘巡査部長(35)。 事件は03年9月10日、奈良県大和郡山市の国道24号で発生。窃盗容疑で追跡中の車両に警官3人が計8発発砲し、被告2人の各1発が助手席の高さんに当たり死亡した。遺族が殺人罪などで告訴したが不起訴になったため、奈良地裁に06年1月、付審判請求。最終的に地裁は昨年1月、殺人と特別公務員暴行陵虐致死の罪で2被告の審理を決めた。 最高裁によると、付審判請求は約50年間で約1万8000件に上るが、決定はこの事件を含め21件(0.1%)にとどまる。
成年後見人が付くと選挙権を失う公職選挙法の規定は選挙権を保障した憲法に違反するとして、児玉郡の女性(55)が26日、国に対し選挙権があることの確認と5万円の慰謝料を求めてさいたま地裁に提訴した。原告側弁護士によると、同様の訴訟は全国で2例目。 訴えによると、女性は生まれつき知的障害があるが、ほとんど棄権せず投票してきた。交通事故被害者としての損害賠償訴訟をきっかけに、姉が成年後見制度に基づく保佐人になることをさいたま家裁熊谷支部に申し立てた。しかし同支部は今年2月、「判断能力が全くない」との判断から後見相当と審判し、姉が成年後見人となった。保佐人がついても選挙権は維持されるが、後見人がついた場合は公選法の規定で選挙権を失う。 女性の姉は会見で、「妹は字の練習をして、自分の判断で投票してきた。妹を助ける制度のはずなのに、逆に権利が奪われた」と強調した。 訴えについて総務省選挙課は「訴状を見て
仏英米など多国籍軍によるリビア攻撃の歴史的意味、今後の事態の展開、アラブ世界への影響などについて、研究活動のためエジプトに滞在中の池内恵・東大先端科学技術研究センター准教授(イスラム政治思想、中東地域研究)に聞いた。【白戸圭一】 カダフィ政権は国連安保理決議の受け入れを発表しながら、自国民への重火器による攻撃を続行し、国際社会を愚弄(ぐろう)する言動に出たため「確信犯」とみなされ、軍事攻撃が正当化される状況になった。「反帝国主義」を掲げてきたアラブ世界の諸政権の正統性が崩れた決定的瞬間だ。アラブ諸国の近代国家形成の失敗が露呈し、従来とは異なる理念に基づく新体制を模索する第一歩が踏み出された。 リビア人は、数万人のカダフィ派以外は空爆を容認するだろう。エジプト人の出稼ぎ労働者がリビア内で多く立ち往生し、カダフィ派が勝利すれば迫害も予想されるため、エジプトでは政府も市民もおおむね空爆に賛成して
<おおさか発・プラスアルファ> ◇極刑、遺族にも重圧 「極刑を主張するのは苦しかった」。広島市で05年、小学1年の木下あいりちゃん(当時7歳)が殺害された事件で、父親の建一さん(43)は裁判が全て終わった後に胸の内を明かした。裁判員裁判の時代、選ばれた国民は「死刑」に向き合わなければならない。その是非を論じるとき、遺族が負わされた「重圧」を知ってほしいと思う。 ■許せないけれど 建一さんは今、数千枚に及ぶ娘の写真を整理しようと決めている。殺人と強制わいせつ致死などの罪に問われたペルー国籍のホセ・マヌエル・トレス・ヤギ受刑者(38)の無期懲役判決が確定してから5カ月余り。広島地検からは、証拠品として保管されていた赤いランドセルや制服などの遺品も返ってきた。 建一さんが心残りに思うことがある。「ランドセルを背負った写真を撮っていなかったんです」。最愛の娘と、このような別れ方をしようとは想像でき
知的障害をもつ女性(30)が強制わいせつの被害を訴えた刑事裁判で、1審の宮崎地裁延岡支部は昨年9月、女性の「告訴能力」を否定し、検察官の起訴を無効とする判決を言い渡した。「女性には裁判所に訴える能力がない」。公訴棄却判決は、いわば「門前払い」の内容だが、女性の周辺にはその判断への疑問の声が相次いでいる。12月21日に予定される控訴審判決を前に事件の周辺を歩き、司法における知的障害者の人権を考えた。 「携帯で胸を撮られた。みんなに見せるって」。昨年2月24日夕、宮崎県北部の山あいにある福祉作業所。家族や職員ら15人がかたずを飲んで“告白”に聞き入っていた。 きっかけは数日前、女性が友人に相談したことだった。本当だと思った職員は警察官にも同席を頼んだ。 「自分で男について行ったの」という問いに「1回か2回断った。でも早よこれ(車)に乗らんねって怒られた」。「何をされたの」「いやらしいことをされ
◇「圧力感じた」 甲府地裁の破産管財業務を巡り業務上横領事件で逮捕された前任者から管財人業務を引き継いだ後任の弁護士(67)が04年、「被害拡大を招いた裁判所の責任も厳しく問われるべきだ」と監督責任を指摘する「調査報告書」を同地裁に提出したところ、担当裁判官(判事)から削除を求められていたことが分かった。弁護士は「裁判所からの圧力」と感じたが、修正に応じなかったという。債権者はこうした経緯を知らされておらず「裁判所は無責任なうえに自己保身を図っているようだ」と批判している。【太田誠一、渡辺暢】 前任者は山梨県弁護士会長も務めた元弁護士(60)で、宝飾会社(山梨県笛吹市)など5社の破産管財人を務めた。98~03年、総額1億5833万円を横領し05年に懲役6年の実刑が確定した。裁判所は破産管財人に財産の処分状況を報告させ、適正に手続きが進んでいるかどうか監督する権限がある。判決などによると前任
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