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ブックマーク / naturalist2008.hatenablog.com (6)

  • 妖精の輪と悪魔の庭 - むしのみち

    AFPBB Newsより 『「妖精の輪」、実はシロアリが原因』 Fairy circle(Wikipedia より:by Thorsten Becker) アフリカの草地に「妖精の輪(Fairy circle)」と呼ばれる、円形の「裸地」が出現する現象は古くから知られていたそうです。これはシロアリの一種 Psammotermes allocerus による「除草」によるものであるという仮説がこれまであり、最近サイエンスに出版された論文ではその仮説を支持しているということです。シロアリは草の根っこをべて結果枯らしてしまうそうです。下記のリンクに「妖精の輪」の画像がたくさん見られますが、これらがシロアリによって形成されたと思うと感慨深いものがあります。 Creators Of Mysterious African 'Fairy Circles' Found Juergens N (2013

    妖精の輪と悪魔の庭 - むしのみち
  • 北米大陸にライオンを放そう!?? 再野生化(rewilding)をめぐる論争 - むしのみち

    害虫や外来種を駆除するために原産地の天敵を導入するのが「古典的生物(的)防除」と呼ばれる考え方です。これまでにも繰り返し述べてきたように、この人為的な外来種の導入はしばしば標的としない生物にも影響を与えるという意味で、その問題点が指摘され、論争を巻き起こしてきました(参考:生物的防除が落とした影 1, 2, 3, 4, 5)。 私の印象では、ハワイのような特殊な島環境では生物防除の危険性は高いという負の印象を受ける一方、大陸環境では、まだまだ生物防除の有効性を信じているか、その低い成功率を向上させたいという熱意が未だ強い印象を受けます。 生物学的防除に見られるような、天敵が害虫や害草の個体数を制御するという生態的な機能を「トップダウン制御(Top-down control)」と呼んでいます。このような動物が持つ生態系機能を大規模に利用しようという提案がなされ、ちょっとした論争になりました。

    北米大陸にライオンを放そう!?? 再野生化(rewilding)をめぐる論争 - むしのみち
  • 生物的防除が落とした影(2)ハワイの導入寄生蜂 - むしのみち

    アフリカマイマイ防除のために放ったヤマヒタチオビが、固有カタツムリたちを滅ぼす結果になったことは一つの悲劇でした(生物的防除が落とした影 1)。 ハワイは、害虫にとって天敵がいない天国のようなところですから(天敵解放仮説)、その農作物への被害は大きいことが知られています。そこで、この100年(とくに世界大戦前後にかけて)、「生物的防除の実験場」と言われるほど、大量の天敵が放たれたそうです。来ハワイのような海洋島は、「進化の実験場」として貴重な生物の宝庫であったわですが、現在では「外来生物の実験場」といって良いほど外来種の宝庫になってしまいました。 さて、害虫の多くは昆虫(の幼虫)で、その天敵として様々な種類の寄生蜂が導入されてきました。この100年間に少なくとも122回にわたって寄生蜂と寄生蝿が天敵として放たれたことが記録されているそうです。もちろん、そういった天敵は農地に放たれたわけで

  • 外来植物は在来植物より食べられにくいか? - むしのみち

    外来種の侵入地での動向を左右する要因を調べることは、外来種管理という応用的な観点から重要なのはもちろんですが、基礎的な観点から(生態学的にも)非常に興味深いテーマであるわけです。 外来植物*1で具体的な研究を紹介します。 外来植物と在来植物で、その葉の被率を測定して比較してみます。もし外来植物の被率が低ければ、enemy release hypothesis(天敵解放仮説)*2を支持する結果となるでしょう。 一方で、同じ植物といっても、例えば、外来種として裸子植物を、在来種として被子植物を比較するのでは、あまりに分類群が離れすぎているので、厳密な比較になりません。そこで、同じ属の外来種と在来種を比較してみたのが、以下の研究です。 カナダ(オンタリオ)の野外に見られる30種の草植物を使って、同属(または近縁属)の帰化種と在来種の15のペアで、その葉の被率を比較した。結果、驚くべきこと

    外来植物は在来植物より食べられにくいか? - むしのみち
  • 外来種が定着する/しないメカニズム:二つの仮説 - むしのみち

    なぜ外来種が定着に成功するのか、またしないのか。 以前に、外来植物の送粉や種子散布を手伝う外来種や在来種がいることにはふれました。しかし、実際、植物が繁殖に成功したとしても、その実生が侵入地で生き残ることができるかどうかは別の要因がからんできます。また、すべての外来植物が定着に成功するわけではありません。持ち込まれた植物種の中で帰化しているのは一部の種です。 今回は、外来種の定着にかかわる二つの仮説を紹介します。 1. Enemy release hypothesis(天敵解放仮説) しばしば外来種の昆虫や植物が大発生したり繁茂したりすることが知られています。この仮説は、外来種の個体群成長を抑える天敵(捕者、寄生者、植者など)がいないために大発生が起こったのではないか、という考え方です。このメカニズムについては古くから考えられており、実際、「古典的生物防除」として、外来種の原産地から天

  • 生物的防除が落とした影(1)肉食のカタツムリ - むしのみち

    動物学や植物学、菌学、昆虫学などの研究者は、生物の生活史や生態を明らかにして、その結果を専門誌に発表します。その過程で、その成果が何か人の役に立ったら良いなあと望むことは一般的でしょう(私もたまに思います)。しかし、その成果が一人歩きして、思ってもみない方向へと波及してしまうこともあるでしょう。そういうリスクを常に考えておく必要はあるのかもしれません。 カタツムリをべるカタツムリ、そんな一般的にはあまり知られていないだろう生態をもつカタツムリをめぐる悲劇についてのお話です。 熱帯、亜熱帯地域に持ち込まれ帰化したアフリカマイマイは、その農業上、衛生上の害虫であるため、最悪の外来種と銘打ったわけではありません。むしろ、これらを防除するためにとった政策が最悪であったと言うべきだったかもしれません。これによって、各地域に固有のカタツムリ類の多くが絶滅してしまったからです。 アフリカマイマイの帰化

    生物的防除が落とした影(1)肉食のカタツムリ - むしのみち
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