以前も書いた話題ですけれども、生存権の経済的基礎を巡って考えてます。自分の思想史研究としてはすでに過去エントリーで小文を掲載したのですが、それと相補的な関係にあるのが橋本努氏の『日本の経済思想』第二巻にある左右田喜一郎論だと思われます。この論文は主に左右田の「天才」論への批判を、私が前記の小文で書いた「戦略的な不可知論」と類似した観点から行っているのではないか、と興味を惹かれました。 それと『週刊東洋経済』で吉川洋先生が書かれていた短文や、ジェフリー・サックスが『貧困の終焉』で、「なぜ豊かな国が貧しい国を援助しなくてはいけないか」という理由として利用していた社会的不安定の回避、という理屈も生存権の経済的基礎として考慮に値すると思います。 最近では、内藤淳氏の『自然主義の人権論』も進化心理学的な発想とも親和的で興味をひく話でした。内藤氏の分析は吉川先生の短文を見事に補強するものでしょう。 そ
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