3月16日、京都で開催されている「ケータイ国際フォーラム」の講演にボーダフォンの津田志郎会長が登場。移動体業界が直面する苦境を紹介したほか、IPネットワーク網の相互接続性などについて議論が尽くされていないのではと警鐘を鳴らした。 ひずみが生じてきている――通信業界の苦悩 津田氏は、ボーダフォンを取り巻く環境が変革期を迎えようとしていると話す。この変革期を乗り切るために、固定通信市場で何が起こったかを振り返って参考にしたいという。 その固定市場では、通信事業者が厳しい競争にあえぐ構図が続いている。「料金が低廉化し、勝者不在のエンドゲーム(終盤戦)になっている。ネットワーク価値は低下し、ひずみが生じてきている」。通信事業者は一般に巨大な投資を必要とするものだが、それを維持するリスクが高まり、結果として各事業者は疲弊しつつあるという。この状況が、モバイル業界でも起こるのだろうか? と不安を投げか