一般的に、「結婚」というのは幸せなことだと考えられています。「結婚したい」と言う独身の人も、どのような結婚を望むか、結婚に何を求めるかは人それぞれであっても、「幸せになりたい」という思いは共通ではないでしょうか。 私はこの連載で、「結婚したい」と何度も書いてきました。その結果というか、「幸せになってほしい」「幸せになってください」と言われることもときどきあります。そう言われると、「こんな私の幸せを願ってくれるなんて!」と、とてもうれしくなります。しかし、ごくまれに小さな違和感を抱くことがあります。 「あなたのためを思って」という凶器 悪い意味での差別や偏見に対しては、気をつけようという意志が働きます。けれど「幸せ」を語ることに関して、気をつけようという意志は働きにくいです。「いいことについて話しているんだから、それが人を傷つけるはずがない」という気持ちが、無意識にあるのではないかと思います