「相場の予想師」と言うと語弊があるが、証券アナリスト(という職業が現代の株式市場に与える影響力は大きい。その職業寿命は、体感的に長くても15年というところ。才能と努力も大切だが、運と勇気がモノをいう世界である。 早朝5時から始まる“戦い” アナリストという人種が15年という寿命をどう生き抜くのかについては、意外に知られていないようなので、その実像の一端を紹介しておこう。 アナリストの朝は早く、夜は遅い。典型的な1日の始まりは、日本経済新聞が自宅に配達される朝5時頃である。起床して目を通すのは1面、3面、企業業績、商品市況などであり、自分が担当している業種や企業、その関連企業の記事がないかをまずチェック。特に大きな記事がない場合は、6時からの経済関連テレビニュースを見ながら朝食を取る。 しかし、1面トップに業績修正、提携や合併といった重要記事が出た場合は、いきなり全身の血が駆け巡る。7時半く