2006年08月25日23:00 カテゴリ書評/画評/品評 Pricing the Priceless 命の値段、まさにそれを扱った書がここに存在する。 命の値段 山本 善明 志村建世のブログ: 生命の市場価格「命の重さに定価はない」のはその通りですが、人間の生命に「市場価格」または「実勢価格」があるのは、事実のように思われます。本書は、日本航空で1994年まで事故処理を担当するという、まさに「生命市場」の第一人者が語る、命の値段の見積もり方の実際である。大変な良著なのだが、現在新刊で手に入れるのは困難なようだ。 本書は、決して散文的に見積もりの実際だけを紹介した本ではない。倫理的、哲学的話題に関しては、序章と最終章で丁寧に解説している。しかし本書を本書たらしめているのは、その間にある見積もりの実際であり、それゆえ本書は定性的な議論に終始している数多の書とは一線を画している。 ここで、第二