第9回はこちらをご覧ください。 アダム・スミスは国を豊かにし、国民の生活を守るために「経済学」を創りましました。競争を勝つための経済学でもなく、弱者切り捨てのための経済学でもありません。あくまでも「国全体・国民全体」の生活を考えていたのです。 こうなると次に知りたいのが、「では一体どうすれば、国が豊かになり、国民の生活を守ることができるのか?」ということです。 スミスは国を豊かにして国民の生活を守るためには2つのことが重要と考えました。 「富」を増やすために必要なこと 重商主義では、「富=貴金属」とされていました。つまり、金銀財宝を持っている人が「富を持っている人」、金銀財宝を大量に保有している国が「富める国家」だったのです。それに対し、スミスは「人間の労働全般が富の源泉」と考えました。 スミスは、国民の富は「必需品」「便益品」つまり消費者が使う商品である、そしてその「商品」は、人間が働く