タグ

ブックマーク / magazine-k.jp (25)

  • 出版業界はブロッキング問題で岐路に立っている

    先月にまきおこった海賊版マンガ・アニメサイトに対する緊急ブロッキングをめぐる議論の推移をみていて、不思議に思ったことがある。展開があまりにも急だったこともあるが、決定までの経緯がクローズドなままなので憶測するしかないことも多く、余計に不明瞭な印象を強くした。なんのことかと言えば、出版業界の対応である。 これまでの経緯 経緯を簡単にふりかえろう。政府の知的財産戦略部・犯罪対策閣僚会議(部長・安倍晋三首相)がインターネット接続業者(ISP)に対して、「漫画村」「Anitube」「Miomio」の3サイト及びこれらと同一とみられる海賊版サイトへのサイトブロッキング(接続遮断)を「促す」緊急対策を決定したのが4月13日のこと。政府は自主的な対応を「促す」だけで「要請」ではなく、あくまでも法整備までの緊急措置だとしたが、これが波紋を呼んだ。 なぜなら通信事業者によるサイトブロッキングには明確な法

    出版業界はブロッキング問題で岐路に立っている
  • 二つのブックフェアから見えた「本の未来」

    先月は東京で二つの「国際ブックフェア」が開催された。両者を見比べて感じたことから今月は始めてみたい。 一つ目の国際ブックフェアは、9月16日〜19日に東京・北青山にある京都造形芸術大学・東北芸術工科大学の外苑キャンパスで開催された、「THE TOKYO ART BOOK FAIR」である。今年で8回目となるこのイベントには国内外から多くのアーティストや出版者(社)が参加し、キャンパス内に設けられた会場は大盛況だった。 いくつか商業出版社の出展も見受けられたが、このブックフェアは基的にインディペンデントなパブリッシャーやクリエイターが集まる祭典であり、大がかりな「文化祭」といった趣きがある。そしてなにより、国際色にあふれている。 今年の参加者の国別一覧のページをみると、日以外にオーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、メキシ

    二つのブックフェアから見えた「本の未来」
    mskn
    mskn 2016/10/02
    今年は未来が見えなかったのかな。昨年は興味深いブースが色々あったけど。
  • 続・本屋とデモクラシー

    2ヵ月前のこのコーナーで、「屋とデモクラシー」というコラムを書いたところ、何人かの方から、このテーマでイベントを開催できないか、というお声がけをいただいた。そこでさっそく、東京・渋谷に新しくできたLOFT 9 Shibuyaという店で、9月6日に以下のイベントを行うことになった。 #屋とデモクラシー〜シブヤ・いちご白書・2016秋〜 http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/48460 登壇者は、ここ数年に「屋」を開業した人や、取次・出版社・作家といった書店にかかわる関係者のなかから、以下の方をお招きすることにした(司会・進行は「マガジン航」編集発行人の私が務める)。 ・辻山良雄(屋Title) ・松井祐輔(H.A.Bookstore) ・梶原麻衣子(月刊『Hanada』) ・碇雪恵(日販リノベーショングループ) ・藤谷治(小説家) これまで

    続・本屋とデモクラシー
  • 巨大プラットフォームから遠く離れて

    インプレス総合研究所が7月28日に『電子書籍ビジネス報告書2016』を発売し、2015年の電子書籍市場の様相が明らかとなった。4月に刊行された出版科学研究所の『2016年版 出版指標年報』も昨年の電子書籍市場の概要を伝えているが、過去の統計データとの連続性を鑑みると『電子書籍ビジネス報告書』の存在意義はいまなお大きい。そこで、今月はまず、この数字をみるところから話をはじめたい。 同報告書によると、2015年の「電子書籍」の市場規模は前年比25.1%増の1,584億円(出版科学研究所では同年の電子出版市場規模を1,502億円と推計している)。「電子雑誌」の市場規模は前年より大きく伸びて66.9%増の242億円で、両者をあわせた電子出版市場は1,826億円だった。 もっとも、電子書籍市場の大半(81%)を占めるのは引き続きマンガ(コミック)であり、前年度から254億円増加の1,277億円。それ

    巨大プラットフォームから遠く離れて
    mskn
    mskn 2016/08/02
    「「電子書籍は普及しているか」という問いへの答えは、マンガを含めた本全体でみれば「かなり普及している」となり、活字本を読書の中心とする読者からは「まだまだ普及していない」ということになる。」
  • 博物館をネット上にひらく試み

    3月21日に東京工業大学博物館で開催された、第7回#OpenGLAM JAPANシンポジウム「博物館をひらく-東京工業大学博物館編」に午後から参加してきました。東京工業大学博物館は同大の大岡山キャンパス百年記念館とすずかけ台キャンパスすずかけ台分館にある付属博物館で、今回のシンポジウムは前者で行われました。 大学博物館を見学すること自体、今回が初めての経験だったため、まずその所蔵品の面白さに目を瞠りました。同博物館の所蔵品は、貴重な自然科学の実物資料から、産業遺産ともいえる工業製品、建築模型や美術品まで多岐にわたります。「工業大学」という名称から連想するものよりはるかに幅が広いことに、率直な驚きを感じました。 この博物館の1階にはT-POT(ティーポット)と名付けられた共有スペースがあり、今回のシンポジウムはそこで約30名の参加者をあつめて開催されました。

    博物館をネット上にひらく試み
    mskn
    mskn 2016/03/31
  • 公共図書館はほんとうに本の敵?

    記事は公益社団法人日文藝家協会が発行する「文藝家協会ニュース」特別号(2015年4月30日発行)に掲載された、今年2月2日に紀伊国屋サザンシアターで行われた「シンポジウム〈公共図書館はほんとうに図書館の敵?〉」の記録を転載したものです。(編集部) シンポジウム〈公共図書館はほんとうにの敵?〉 公共図書館・書店・作家・出版社が共生する「活字文化」の未来を考える 日時=2015年2月2日(月)  18時30分〜20時30分 会場=紀伊國屋サザンシアター〈シンポジウム〉 協力=「21世紀の出版契約を考える会」有志 登壇者: 佐藤 優〈作家・元外務省主任分析官〉 林 真理子〈作家・日文藝家協会常務理事〉 根 彰〈東京大学大学院教育学研究科教授〉 猪谷千香 〈ジャーナリスト〉 菊池明郎〈筑摩書房相談役〉 石井 昂〈新潮社常務取締役〉 進行=植村八潮〈専修大学文学部教授〉 写真:高橋祐功

  • 日本十進分類法のオープンデータ化に向けて

    図書館は、分類番号順に棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日図書館協会により大幅に制限されており、検索精度の向上や様々な分野での図書館データベース活用の大きな障害となっています。また、カーリルのような新しい事業者には多額のライセンス料とデータの再配布を制限する契約を要求する一方、従来からNDCを活用している事業者はライセンス料を一切負担していません。このような運用は公益社団法人としてふさわしいものではありません。 NDCは公共性の極めて高いプロトコルであり、だれでも、いつでも活用できるようにするべきです。これまでカーリルでは日図書館協会に対して再三にわたりオープンデータ化を要請してまいりましたが未だ実現しておりません。現在、図書館関係者有志によりND

    mskn
    mskn 2015/10/07
  • 電子書籍の「失われた◯◯年」に終止符を 〜続・「電書再販論」に思うこと

    これまでの経緯 こんにちは。この「マガジン航」で以前、電子書籍への再販制度導入について、書かせていただいたことがあります(リンク)。 その時は、再販導入を主張する鈴木藤男氏(NPO法人わたくし、つまりNobody副理事長)、落合早苗氏(hon.jp代表取締役)の主張を、主に経済学的な観点から、分析しました。 紙幅の関係で、「電書再販論」のもう一人の主張者である、高須次郎氏(日出版者協議会会長、緑風出版代表)の所論については、「後編」に回すことにしたのですが、その「後編」を書きあぐねているうちに時間がたってしまいました。すみません。 今回、「後編」として、「電書再販論」について、さらに詳しく書かせていただきます。 そもそも「再販制度」とは? はじめに、出版物の「再販制度」とは何かについて、ちょっと整理しておきます。 独占禁止法では、商品の生産者や供給者(この場合は出版社や取次)が販売者(こ

    mskn
    mskn 2015/10/05
    「大事なのは問題を解決することであって、制度を守ることではありません。」
  • 2018年の青空文庫へ向けたアイデアソン

    みなさまは青空文庫をご存知でしょうか? 青空文庫は、著作権の消滅した作品と、著作権者(著者ら)が「自由に読んでもらってかまわない」とした作品を、テキストファイルやHTMLファイルで提供しているサイトで、またそうしたテキスト化と配布を行っているプロジェクトです。青空文庫のサイトを訪れたことのない人でも、KindleストアやKoboストアの「無料」として再配布されているものを見たり、もしかしたら読んだことがあるかもしれません。 青空文庫は1997年の「青空文庫の提案」からスタートし、多くのボランティアによって支えられてきています。2013年に呼びかけ人の一人であった富田倫生氏が逝去されましたが、活動は途絶えることなく、また富田氏の著書『の未来』の書名を冠し、青空文庫の活動を将来にわたって支援するための基金「の未来基金」が創設されました。 何よりも大切な多くのボランティア活動者と、それを支

    mskn
    mskn 2015/06/23
  • 求められる「マンガ」、排除される「マンガ」

    去る2015年1月25日に国際政策大学院大学でおこなわれた文化庁主催のシンポジウム『震災復興・地域振興・公共サービスから考える 集積された「マンガ知」の使い方』にディレクター補佐として参加させていただいた。 ここではこのイベントを通して考えたことを少し書かせてもらいたいと思う。 相次ぐマンガ・アーカイブ施設の開設 このシンポジウムは2014年に学習院大学と文化庁の共催でおこなわれた連続シンポジウム「マンガのアルケオロジー 視覚的な物語文化の系譜」、「マンガのアルケオロジー2 マンガ研究とアーカイブ」)からの流れで企画されたもので、企画の根底にはこの連続シンポジウムの2回目で主題とされていた「マンガのアーカイブ」をめぐる議論を引き継ぐ意図がある。 大衆文化であるマンガの収集・保存に関しては、劇画ブームといわれた1970年代末に貸業を営んでいた内記稔夫氏が自身のコレクションをもとにした「現代

    mskn
    mskn 2015/03/19
    求められる「マンガ」、排除される「マンガ」
  • 楽天Koboライティングライフが日本で開始

    12月18日午前10時、「楽天Koboライティングライフ」のベータ版がリリースされました。7月の東京国際ブックフェアでは「年内リリース」と予告されていたので、「なんとか間に合った」といったところでしょう。リリース当日、渋谷の楽天カフェで行われた記念イベントに行ってきましたが、懇親会では関係者の方々が少しほっとしたような表情だったのが印象的でした。 コンセプトは「出版に自由を」 イベントはまず楽天ブックス事業 副事業部長 田中はる奈氏が、楽天Koboライティングライフのコンセプト「出版に自由を」について説明しました。 ・著者がストレスなく簡単にコンテンツを出版できること ・著者ができる限り多くの読者へアクセスできるようにすること ・著者が自分のを効果的にプロモーションする体制を整えること それを実現するための特徴は、以下の3つとのことでした。 ・価格を無料に設定できる ・独占配信じゃなくて

  • 国立国会図書館の電子情報部に話を聞いてみた

    4月21日に、国立国会図書館のデジタル化資料を活用した「NDL所蔵古書POD」が、インプレスR&Dから発表されました。実はこのニュースを受けて、変電社の持田泰さんとFacebook上で議論になりました。持田さんが、このインプレスR&DのNDL所蔵古書PODのように「変電社文庫」を作ってみたいが、国立国会図書館とどうやって話を付ければいいのだろう? という投稿をしており、そこへ私が「パブリック・ドメインなら許諾不要では?」とコメントしたのが議論の発端でした。 実は当時、国立国会図書館のデジタル化資料を利用するには、パブリック・ドメインの作品でも転載依頼フォームからの申し込みが必要でした。私は「それってパブリック・ドメインの意味がない」という意見、持田さんは「でもそういうルールになっているのだから、煩雑であろうとちゃんと申し込みは必要だ」「外部からの妙な抗議で、せっかく公開したデータがまた非公

    mskn
    mskn 2014/05/23
  • NDL所蔵古書をプリントオンデマンドで

    2014年4月21日、インプレスR&D社国立国会図書館(以下NDL)のパブリックドメイン古書のオンデマンド印刷版を、Amazon及び三省堂書店で販売開始すると発表しました。これはNDLがインターネットですでに公開している「近代デジタルライブラリー」の350,000冊の書籍データのうち、著作権保護期間を経過してパブリックドメインとなったコンテンツに限り、紙のとして販売するというものです。 インプレスグループで電子出版事業を手がける株式会社インプレスR&D(社:東京都千代田区、代表取締役社長:井芹昌信)は、スキャニングデータ(画像)を印刷・製可能なページデータに整形する技術により、国立国会図書館NDL)のパブリックドメイン古書コンテンツをAmazon.co.jp「プリント・オン・デマンドプログラム」を通じたPOD書籍として販売を開始しました。 第一弾として、Amazon.co.jpでは

    NDL所蔵古書をプリントオンデマンドで
  • シンポジウム「電子書籍化の波紋」レポート

    東京都写真美術館で行われていた恵比寿映像祭で、2月22日に「電子書籍化の波紋-デジタルコンテンツとしての書籍」と題したシンポジウムが開催されました。これは当日の昼間に放映された、Google Books にまつわる騒動を題材としたドキュメンタリー映画電子書籍化の波紋《グーグルと知的財産》」と連動したプログラムで、グローバル化やデジタル化の波が「知的財産」や「電子書籍」にどのような影響をもたらすかについて、出版社・弁護士・哲学者・政治家などさまざまな立場から論じた内容です。 登壇者は、写真右から福井健策氏(弁護士)、神谷浩司氏(日経済新聞文化部記者・討論司会)、角川歴彦氏(株式会社KADOKAWA取締役会長)、エルヴェ・ゲマール氏(政治家/前フランス経済・財務・産業大臣)、エリック・サダン氏(哲学者/エッセイスト)、ドミニク・チェン氏(株式会社ディヴィデュアル共同創業者/ NPO法人コモ

    mskn
    mskn 2014/03/03
    大きな変革期を迎えてる。
  • NDLのデジタル化資料送信サービス体験レポ

    2014年1月21日、国立国会図書館NDL)の「図書館向けデジタル化資料送信サービス」が開始。あわせてサイト「国立国会図書館デジタル化資料」が「国立国会図書館デジタルコレクション」へ名称変更リニューアルしました。 絶版など、国会図書館から各地の図書館へ配信、18都道府県23館で始まる−INTERNETwatch 現時点で、絶版などの入手困難な約131万点が対象。内訳は、1968年までに受け入れた図書が50万点、江戸期・清代以前の和漢書など古典籍・貴重書が2万点、2000年までに発行された雑誌が67万点、1991~2000年に受け入れた博士論文が12万点 サービス開始時点で約131万点なんてまあ素敵な分量!これは街の図書館が平均的大学図書館蔵書数レベルのデジタル書庫を一挙に得られるチャンスなわけです。またこのサービス開始に併せて「国立国会図書館デジタル化資料」名称改め「国立国会図書館

  • 文化庁eBooksプロジェクトは何を残したか

    文化庁は3月7日、今年の2月1日から3月3日にかけての期間限定で実施された「文化庁eBooksプロジェクト」で配信された電子書籍のダウンロード数を発表した。同プロジェクトは「国立国会図書館デジタル化資料」のうち13作を「電子書籍」としてリパッケージし、電子書籍ストアを介して一般ユーザーに配信するという邦初の実証実験だった。 この報告書によると、実証実験におけるダウンロード数上位作品は以下のとおりである(詳報はこちらを参照:「文化庁eBooksプロジェクト」について)。 第1位 酒井潔『エロエロ草紙』(11,749 ダウンロード) 第2位 芥川龍之介『羅生門』(10,136 ダウンロード) 第3位 『平治物語(絵巻)』(8,389ダウンロード) 配信が第1回(2月1日〜)と第2回(2月8日〜)に分かれたため、上位を占めたのはすべて第1回配信分となったが、第2回配信作品だけでみると、第1位は

  • アマゾンが電子古書を売り出すとき

    この2月、アメリカ出版界の未来を変えることになりかねないニュースが伝えられた。それは、アマゾンが中古電子書籍の売買市場作りを狙っているというニュースだった。アマゾンの電子書籍市場におけるシェアは65%-80%と言われている。そのアマゾンが中古の電子書籍売買のマーケットを作ったとしたら、アメリカ出版界に及ぼす影響は大きい。このニュースを追ってみた。 アマゾンが米パテント・オフィスから取得した パテントの内容 アマゾンが中古電子書籍の売買市場作りを計画中。最初にこのニュースを伝えたのはオンラインのテクノロジー・ニュースサイトgeekwire.comだった。2月4日のgeekwire.comのこの報道のあと、米国の出版業界誌「パブリッシャーズ・ウィークリー」が2月7日にオンラインでこのニュースを掲載した。 アマゾンが中古電子書籍の売買市場作りを狙っているというのは今はまだ憶測の段階だ。この憶測は

    アマゾンが電子古書を売り出すとき
  • 3・11後の「知のアーカイブ」をつくる試み

    みすず書房のPR誌『みすず』6月号に、ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日研究所のエリック・ディンモア氏とアンドルー・ゴードン氏による「2011年東日大震災デジタルアーカイブ」という文章が掲載されています(同社ウェブサイトからPDFで全文がダウンロード可)。この文章を読み、「2011年東日大震災デジタルアーカイブ」の活動をはじめて知りました。 まだアルファ版とのことですが、さっそくアクセスしてみたところ、「ウェブ・アーカイブ検索」「震災情報レイヤー地図」「わたしの「東日大震災」」という三つのコーナーがすでに公開されています。 「ウェブ・アーカイブ検索」は震災関連のさまざまな資料や記録の横断検索です。まだ暫定版とのことですが、ここでたとえば「図書館」と入力すると、たとえばSAVE MLAKがとりまとめた被災地の図書館や美術館、博物館、文書館、公民館などの被災状況を示す写真や、

  • ブリュースター・ケール氏に聞く本の未来

    「マガジン航」では、今年5月末に来日したインターネット・アーカイブのブリュースター・ケール氏に長いインタビューを行いました。これまでにもケール氏のインタビュー映像を記事で紹介したことがありますが、今回の取材ではこれまであまり知ることのできなかった、ケール氏の素顔の部分までを聞き出すことができました。 ハッカー精神をもったライブラリアン、ケール氏の描くの未来とはいかなるものか。かなり長いインタビュー記事ですが、たっぷりとお楽しみ下さい。 若い頃はハッカーだった ――はじめて自分用のコンピュータを手に入れたのはいつだか覚えてますか。 BK:多分14歳か15歳のときで、友達がスイッチとLEDを金属線でつなげて作ってくれたヤツだった。これはマイクロプロセッサ以前の話だよ。僕はそれで1と0を入力してプログラミングし、素数とは何かを理解したんだ。 ――早熟でコンピュータ好きな子供だったんですね。少年

    mskn
    mskn 2011/09/13
    インターネット・アーカイブのブリュースター・ケール氏へのインタビュー記事。
  • 電子書籍はまだ紙の本に勝てない

    PCユーザーであり雑誌ファンとしては大変懐かしい『WIRED』日版の復刊を楽しみにしていた私は、発売日に書店へ駈け付けました。レイアウトもクールで、テクノロジー関連の記事を楽しみ、インターネットのサイト「WIRED.jp」を、誌面との連携を探りながらブラウズしていると、「電子書籍が紙に負ける5つのポイント」という電子書籍の記事を見付けました。 この記事を読んで、「一面的にしか捉えられていなくて、分析が甘い!」「紙媒体が、現在の電子書籍に負けるわけがない」「そもそも、こいつは紙の書物というモノを苦労して読んだ経験が少ないな。言っていることはIT関連のことばかりだ」などと、不満をTwitterでつぶやいていた時、「マガジン航」の編集長から「電子書籍について考えていることをまとめてみませんか」と、声を掛けて頂きました。 私は、かつて約15年間、株式会社アスキーという出版社で編集者をしていました

    電子書籍はまだ紙の本に勝てない
    mskn
    mskn 2011/07/28