『エセ著作権事件簿―著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪』では、基本的には既に判決が確定していたり、法的評価が明確になっているものなど、既に歴史になった事件を取り上げています。しかし、収録候補とした事件の中には、裁判係属中ながら取り上げる価値が高い事件がいくつかありました。基本は涙を呑んでボツにしたのだけれど、2件だけ収録しています。それが「#KuToo事件」と「編み物ユーチューバー事件」です。 この2件については、刊行後に新たな判決が出たとしても、少なくとも著作権侵害にかかわる本質部分について判断が覆ることはないと考え、著者の責任において収録に踏み切ったもので、判決が確定したら必要に応じて補稿を発表しようと思っていました。 今般、このうち「#KuToo事件」について、原告(著作権者側)の上告が棄却となり、本書で評した控訴審までの判断が維持され、原告敗訴が確定し終結しました(