遙から 堂島ロールという人気菓子を買って実家に帰った。そこでいかに組織というものがトップの思い通りにならないかを目の当たりにした。 家族をひとつの組織として眺めると興味深い。 お盆は実家に家族が20人ほど集まる。私は堂島ロールを5本購入した。皆で分けて食べるためだ。一本のロールケーキを5つに切り分けてもなお1本余る。それくらい多めに購入した。 実家には主婦歴数十年のベテラン主婦が4人。新人主婦が2人。そして座ったが最後、“男”を理由に動かない、つまり、組織で機能しない人間が10人ほど。その他子供。 7人の女性たちでなんといってもリーダーを張るのが長男の嫁だ。組織のトップ、長男の命令下、お盆の宴席の成功に強い使命感を持つ。 社長命令で企業主催イベントを任されるのと似ている。 宴席も終盤、そろそろケーキを出す時間が来た。とにかく5本ある。満喫できる量だ。 「堂島ロールを」と声が出た。 宴席にい