二酸化炭素(CO2)を出さないため「環境の優等生」といわれる風力発電。環境省は9月、中央環境審議会に有識者委員会を設置し、環境影響評価法の対象に風力発電を入れるかの議論を始める。 現在は稼働に際する配慮が事業者に委ねられているが、各地に風車が立つにつれ、「優等生」の地位を脅かしかねないような課題も出てきたためだ。北海道苫前町が直面している問題をリポートする。 部品がない 「修理部品を取り寄せようとしても、何カ月も待たなければならない」 動いていない風車の前で、苫前町の森利男町長はため息をついた。町には民間と町営を合わせて42基の風車が林立する。総発電出力は5万2800キロワット、北海道の風力発電の約5分の1をまかなう。 苫前に吹く強い北西風は「地吹雪」となり交通を麻痺させる。「やっかいもの」の風を生かすはずの風力発電だった。平成10年から北海道電力に電力供給を開始。順調に売電していたが、昨