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ブックマーク / ohnosakiko.hatenablog.com (155)

  • ジェンダー平等社会のエロの位相、あるいは欲望と配慮の関係 - ohnosakiko’s blog

    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2017/07/25
    「ただこうしたことが逆説的に、ポルノだけでなくさまざまな物語やビジュアル領域に、多様で特異な表現をもたらすかもしれない」
  • 近代文学が終わった後の『文豪とアルケミスト』 - ohnosakiko’s blog

    文豪とアルケミストと小林多喜二と日共産党 - Togetterまとめ 『文豪とアルケミスト』というオンラインゲームで、近代文学の小説家(が現代に転生したもの)がキャラとして多数登場している中に小林多喜二も含まれており、それについて新聞『赤旗』が好意的に取り上げたところ、そのゲームのファンの一部が「政治利用だ」と憤慨しているという話。 それに対し、「小林多喜二はそもそも共産党で‥‥」などのツッコミが多数入っている。言い換えると、「元キャラの背後のコンテクストやコンセプト知ってるの?」。 一種の「断絶」である。 最初は「そういう文脈知らなくてゲームやってて面白いのかな」と思ったが、よく考えてみれば文脈込みで楽しむというのは、この「動物化するポストモダン」の時代には今や古典的態度だ。 「自分たちの好きなもの(蟹のハサミ持った「元反逆児」のキャラという虚構)が、嫌いなもの(左翼という現実)に紐付

    近代文学が終わった後の『文豪とアルケミスト』 - ohnosakiko’s blog
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2017/03/20
    「近代文学も、アートとほぼ同様の位相にある。近代文学が終わった(by柄谷行人)から、近代文学をリサイクルしている『文豪とアルケミスト』や、非政治化されたそれを虚構として楽しむ者が出てきたのだ」
  • 愛知県立旭丘高校美術科25期生作品展「にこてん」第三回の展示について - ohnosakiko’s blog

    超ローカルな話です。 先週、名古屋・栄のギャラリー聚で開催された「にこてん」に出品しましたが、まったく不意なかたちになってしまったので、ご覧になった方に向けてここで「訂正」をしておきたいと思います。 ■ 旭丘高校美術科の同級生有志によるこの展覧会は、2012年以降1年おきに行われている。 それより前に美術作家を廃業している私は過去の2回は不参加だったが、今回は自筆イラスト付きのを上梓した後で、代表として名前を出し全体の世話役的な立場の人(Aさんとする)に出品を強く勧誘され、イラスト原画のうち3点を展示し、拙書も少し置かせてもらうことにした。 搬入日はどうしても外せない用があったので、前もってAさんに作品を託した。美大のデザイン科を出ている人で、当然信頼していた。 会期中は仕事もあってなかなか行けず、会期終わり頃のプチパーティ(オープニングパーティの代わり)に行き、入り口近くの自分の展示

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  • 魔女の秘密展 - ohnosakiko’s blog

    魔女の秘密展 Secret Witches Exhibition 2月19日から3月13日まで原宿ラフォーレミュージアムで開催される模様。 去年の夏、名古屋市博物館で見た。展示に工夫が凝らされており、特に処刑関係のブツは生々しかった。 最後には安野モヨコを始めとして漫画家やイラストレーターが描いた「現代の魔女」も登場。『魔女の宅急便』がなぜ入っていなかったのかはわからない。いろいろ理由があるのだろう‥‥。 その時に新聞のコラム欄用に書いた短いテキストを掲載しておきます(「普通のレビューではなく、展覧会を通して”現代”に言及してほしい」という編集部の依頼に沿ったものなので、展示の記述は少ないですが)。 ←使った図版(カタログから) 先月、インド東部の村で、魔女の疑いをかけられた女性5人が、村人の集団リンチで殺害されるという事件が起きた。災いや不幸を特定の誰かのせいにし、皆で制裁を加えて溜飲を

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  • 父の呪い、母の背中 - ohnosakiko’s blog

    これまでの著作も読んでいて、今回のを読んだ友人に言われたこと。「お父さんの話はよく出てくるけど、お母さんの話はないね。ちょっと不自然なくらいない。何故?」。言われてみるとそうなのだ。私は「父の娘」だから、というだけなのか。これもちょっと考えてみないと。— 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら (@anatatachi_ohno) 2015, 12月 22 というわけで、母のこと。 これまでの書籍で、父その人や、父と私の関係について書いたことは、少なくとも3回ある。母についてはない。ブログでは、亡くなる2、3年前から父関係の記述が増えた。それに伴って母のことも時々書いてはいるのだが、たぶん読む側からすると父ほどの印象はないだろう。 母は父の元教え子で、専業主婦として常に父の後ろにいた。長女の私は父に溺愛され、完全に「お父さんの自慢の子」だった。父にとって私は「男の子」でもあり、母も私を

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  • 『あなたたちはあちら、わたしはこちら』刊行のお知らせ - ohnosakiko’s blog

    2006年に初めてのを出してから5冊目の単著になる映画エッセイ『あなたたちはあちら、わたしはこちら』が、大洋図書から刊行されます。 30代後半から80歳過ぎまで、中年以上の女性が主人公となっている映画12を取り上げ、その心情を掘り下げて考察したものです。WEBスナイパーに昨年から今年にかけて連載していたレビュー(現在読めるのは第一回のみです)に全面的に手を加え、さらに一つひとつのテキストに、各女優についての書き下ろしコラムを添えました。 webのほうは18禁サイトということで開くのを躊躇したり、開いてもテキストの両サイドに並んでいる「過激コスプレデリ」とか「四十路」のナントカいうのが気になって文章が頭に入らなかったという方も、これで心置きなくじっくりお読み頂けると思います。 連載に載せていた色鉛筆によるイラストは、カラー口絵12枚となって冒頭を飾っています。原画をほぼ忠実に再現した印

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  • 『超絶技巧!明治工芸の粋』に肝を潰す - ohnosakiko’s blog

    先日、岐阜県立現代陶芸美術館で開催中の『超絶技巧!明治工芸の粋』を観に行った。 明治工芸と聞いてもあまりイメージの浮ばない方は、下のリンク先を。 岐阜県立現代陶芸美術館 展覧会情報01 左上の「パイナップル、バナナ」、中段中の「竹の子、梅」は実寸大の象牙彫刻(牙彫)。この安藤緑山の作品をナマで観たいというのが、今回の主な目的。 初めて行く岐阜県立現代陶芸美術館は、中央線多治見駅からバス15分、徒歩10分。目印が何もなくやや不安になりかけたところで、美術館地階入り口への道があった。滝と川を取り込んだ、風流ながら大胆な作りの建築物。周辺の山には散策路があるようだ。 七宝、金工、漆工、薩摩、刀装具、自在、木彫・牙彫、印籠、刺繍絵画の全163点の展示作品はすべて、京都の清水三年坂美術館所蔵(村田コレクション)のもの。 最初にあるのは、並河靖之の七宝の皿や壷。蝶をモチーフにした驚異的に緻密な仕事に度

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  • 週末の出来事、さまざまな再会 - ohnosakiko’s blog

    名古屋芸大に非常勤で行くようになってまだ1、2年の頃、Kさんは当時私がもっていた現代美術演習の授業に顔を出したことのあるデザイン科の学生だった。それから数年してT先生のゼミでKさんと一緒になり、人となりを知るようになった。ナンシー関的なツッコミ眼をもつ、とても愉快な人だった。 長い学生生活を経て東京方面の会社に就職した彼女は、だいぶ経ってから、広島のある大学の講師になったと聞いた。 去年の春先にKさんが急逝したということは、今年になってから知った。 この間の土曜日、大学時代の彼女の友人たちが開催した、Kさんの追悼打ち上げ花火大会に行った。 なぜ花火大会かというと、生前にKさんが何かの折りに「死んだ時は湿っぽいお葬式より、パッと花火でも打ち上げて送ってもらうのがいいな」というようなことを言っていたのを友人の一人が覚えていて、協賛金を集めてそれを実行しようというわけだった。結果、40万以上の協

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  • 「福山ショック」から思い出した「泥足にがえもん」への恋 - ohnosakiko’s blog

    「福山雅治が結婚したので、帰ります」 女性たちの福山ショック【20選】 人気の凄まじさを再認識しつつ、16、7年前、仕事先の大学の男子学生と話していて「ところで福山雅治ってそんなに人気あるの?」(←世間知らず)と言ったら即座に、「何言ってんですか!福山嫌いな女の子なんていないっすよ」と言われたことを思い出した。 そうなんだ。そりゃ私も「好きか嫌いか」と言われれば、好きな方かな‥‥とは思うけど。 個人的には、 ohnosakiko (デビュー当時、雑誌で好きなタイプを聞かれ「ロングヘアで料理上手で女らしく控えめな人」みたいなことを言ってて、ベタな音を衒いなく言う人だなと感じたことを思い出した。今でもそんなに印象変わってない。 2015/09/29 http://b.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20150929#bookmark-267473326 というイメージがある。

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/09/30
    「先日書いた元祖・黒髪白シャツ男の原型が、若い頃の父だったと後で気づいて自分のアディクションに慄然となった」
  • 元祖・黒髪白シャツ男 - ohnosakiko’s blog

    漫画家の東村アキコがネットに発表している『ヒモザイル』が話題になっている。アシスタントへのセクハラ、パワハラとの批判も出ているが、ここで書きたいのはそういうことの是非ではなく、第二回で登場する「これが大人の女が好む「抜け感男子」だ!!!」という「図解」について。 ラフなボサボサ黒髪だが不潔感はなく、普通の洗いざらしの白いシャツの腕をまくってて、ベージュのチノパンにサンダルかコンバース履いてるという「抜け感」のあるファッションだ。 これな‥‥。すごくわかるわ。50代半ばの私でも。オシャレ過ぎず、さわやか過ぎず、無難過ぎずの絶妙なライン。普通〜痩せ形でないとちょっと厳しいかもしれないが。 無造作黒髪・無造作白シャツ男の元祖は、おそらく豊川悦司だと思う。 1995年のTBSドラマ『愛していると言ってくれ』の中で、豊川悦司が演じた聴覚障害者の絵描きの青年が、いつも無造作な黒髪(当時だから少し長め)

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/09/27
    あー、トヨエツか。
  • 「盗作さん」と言われた話 - ohnosakiko’s blog

    (※この記事は五輪エンブレム問題における佐野氏の責任に言及するものではありません) ohnosakiko デザイン, 社会 佐野氏の人柄とかこれまでの仕事などにあまり関心はないが、今回この件で「クリエイト」ということにたくさんの人が強い期待を抱いていてオリジナリティ神話が生き続けているのを目の当たりにした気分 http://b.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20150902#bookmark-263706487 ohnosakiko デザイン, ネット >インターネットの質である「共有」というシステムを、自らの個人的な名誉と利益のために利用したというところ/デザイナーはエディター(出自を明らかにしたありものを編集する)に近いという認識が必要かも。 http://b.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20150902#bookmark-264651028 五

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/09/03
    早くデザイン界にも「人力サンプリング」の概念が普及した方がいい。
  • インターハイ女子バスケ初観戦記 - ohnosakiko’s blog

    外に出るとバターのように溶けてしまいそうな暑さですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 外飼いのうちのワンコも、日の高い間はさすがに家の中に入れてやっています。犬が溶けて虎のバターになったら悲しいですからね。 ● 先月末、インターハイ女子バスケットボールの試合を見に行ってきた。夫の赴任先の、新潟は開志国際高校の応援。昨年創立の新設校で、アスリートコース(アメリカンフットボール、ラグビー、バスケットボール、陸上、卓球、ゴルフ、スノーボード)と医大コースと国際コースの三つがあり、今のところはまずアスリートコースで有名校になることを目指しているらしい。 バスケの生徒も、全国から来ている。埼玉県から中学は名古屋の若水中(女子バスケで有名)に来て、高校は新潟の開志国際という生徒。「強豪の桜花学園を倒すため、桜花を蹴ってここに来た」という女子もいるそうだ。身長193センチのセネガル出身の女の子も。男子バ

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  • 『ボルネオ人をしめ殺すオラン・ウータン』の衝撃 - ohnosakiko’s blog

    「生きものが苦しむところを観察したい」という残虐な欲望が、子どもの頃にあった。と書くと不穏だが、人間や身近な動物は厭で、あまり大きくなくて自分の好きではない生きもの、たとえば虫なら、平気でもがき苦しむところを見ることができた、というわりとよくある話。 蜘蛛や蛾を捕まえてボンド漬けにしてみたり、小さな羽虫の羽や触覚や脚を少しずつ毟って、飛べなくしたり歩けなくしたりする。体の自由を奪われ弱った虫が、断末魔の痙攣じみた動きをする。気持ち悪さと面白さ、不快と快の混じった何とも言えない感覚。 その、少しぞくぞくするような気分を思い出してみると、明らかに性的なものへの関心が底にあったと思う。子どもの頃のまだあまりはっきりと自覚されない性欲が、「生きものが苦しむところを観察したい」という欲望に置き換わっていたようだ。 「残酷さや暴力への欲求と性的欲望が結び付いている」と明確に感じるきっかけになったのは、

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/06/08
    アートの名を借りたポルノ? アートでもありポルノでもある? うーん、それはともかく、確かに衝撃的ではあるけど、苦手。
  • 「おばさんになれば“なるほど”」、第五回がアップされています。 - ohnosakiko’s blog

    サイゾーウーマンに連載中のエッセイ、今回のテーマは「アイドル命の人」です。 60代女性がジャニーズアイドルに見る景色――「青春の疑似体験」でも「欲求不満」でもない ジャニーズにしろ韓流スターにしろ、ファンの中で大きな割合を占める中年の女性たち。一口に中年と言ってもアラフォーから還暦あたりまで幅が広いですが、この連載で扱っているのは50代を中心とした中年後期の女性で、60代前半はぎりぎり中年に入ります(前期高齢者は65歳から74歳)。 今回は、そんなAround60のSMAPファンの女性に取材したことをまとめました。この人は知人で、根掘り葉掘り聞く私にとても楽しそうに語って下さいました。正直羨ましかったです。テキストの分量が短めなのでほんのポイントしか入れられませんでしたが、「このために働いてる」という言葉が印象的でした。 サイゾーウーマンは芸能、特にジャニーズ関係の記事が充実しており、編集

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/05/24
    ジュリー、かっこいいよ。
  • 44年目の『鳥の歌』 - ohnosakiko’s blog

    クラシック音楽の愛好家だった生前の父は、若い頃にバイオリンを齧っていたが、それより好きな楽器はどうやらチェロであったらしい。女の子が生まれたらピアノ、男の子が生まれたらチェロを習わせたかったと(私が女の子だったのでピアノになった)。 もちろん父の一番好きな演奏家は、パブロ・カザルスだった。1971年10月24日、ニューヨーク国連部でのカザルスの演奏を、家族揃ってテレビで見た時のことはよく覚えている。「(私の故郷カタロニアでは)、鳥たちはこう歌います。Peace、Peace、Peace!」。95歳になろうとするチェリストの発言に、父は感極まった顔になった。 そして演奏された『鳥の歌』。原曲はカタロニア民謡で、カザルスが編曲したもの。 それは、当時12歳の私がそれまでの短い人生で聴いたどんなクラシックの演奏とも違っていた。今なんかすごいものを見ている(聴いている)んだ‥‥と思った。 ● 先日

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/05/18
    「右側に義父、左側に亡き父がいて、同じ曲を聴いているという不思議な感覚を味わった」
  • きものを「貴族の文化」にしたのは何か - ohnosakiko’s blog

    英国人の日文化論が「正しすぎる」「ぐぅの音も出ない」と話題に - with news(ウィズニュース) タイトルがちょっと煽り過ぎというか大袈裟に感じるが、小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長という日文化に詳しいイギリス人が、きものの価格の高さについて苦言を呈している内容。以下は最後のところ。 そもそも伝統が伝統になる前は、ちゃんとビジネスになっていたはずなんです。消費者の意向を探り、自ら変わり続けた。だから伝統になれた。着物が存続するためには、真っ当なビジネスにするしかありません。もっと価格を下げて、手に取りやすい着物を増やす取り組みが、最低限必要だと思います。 最近またちょっとしたきもの流行りで、若い人向けの雑誌も出て、気軽にきものを楽しめるよう様々な提案がされていたり、手にしやすい価格帯のきものが売られていたりするが、街を歩いていて頻繁にきもの姿を見るところまでは行ってい

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  • 教える者と教わる者は出会えない‥‥漫画『かくかくしかじか』を読んで - ohnosakiko’s blog

    将来の夢は漫画家でやたら自己評価の高かった能天気な宮崎県の女子高生、林明子(作者、東村アキコ自身)は、美大受験のため友人に誘われて行った絵画教室で、ジャージ姿に竹刀を持った鬼のような日高先生に、肥大し過ぎた自意識を木っ端みじんに叩き潰される。 地獄のようなデッサンの特訓の日々。日高先生にとことん鍛えられ、失敗したと思っていた金沢美術工芸大学に合格。しかし念願の美大に入ったとたんに、絵を描く意欲も漫画家デビューに向けて頑張る気力も失せ、ひたすら無為の日々を過ごしてしまうのであった。 かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス) 作者: 東村アキコ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/07/25メディア: コミック購入: 5人 クリック: 87回この商品を含むブログ (78件) を見る 17歳頃から20代半ばまで、美大時代を挟んで8年に渡る日高先生との交流を中心に、普通ならあまり人に語り

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  • 『風立ちぬ』と『小さいおうち』を観た母が語る戦中と戦後 - ohnosakiko’s blog

    今年78歳になる母が一人で暮らしている実家に、先日泊まってきた。いつも名古屋に用事で来たついでに寄ってバタバタと帰るので、たまにはゆっくりしていこうということで。 先月下旬にテレビ放映された、『風立ちぬ』と『小さいおうち』の話になった。 アニメと言えばサザエさんしか見たことのなかった母にとって、『風立ちぬ』のアニメ表現は驚くべき体験だったようだ。『小さいおうち』の方は、「タキさん(黒木華)がとってもよかった」。物語の内容もさることながら、いずれの作品も母が生まれる十数年前から生まれた後にかけての時代を描いているため、いろいろ細かい事物の描写も懐かしかったらしい。 「何か見覚えのある景色や物が出てくる度に、昔の思い出に浸っちゃったわ」と母は言った。それから母は、戦中や戦後の思い出をつらつら語った。 昭和12年に母が生まれて結婚まで過ごしたのは、名古屋市の北東にある春日井市松新町。戦争体験は小

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2015/03/13
    「「私は戦争のことを覚えている最後の世代になるわねぇ」と言いながら、母は話し続けた」
  • アートは騙しの手口の百貨店‥‥『だまし絵2』展 - ohnosakiko’s blog

    昨年の振り込め詐欺の認知件数は、前年に比べて約二割も増加したという。人は騙されまいと思っていてもうっかり騙され、被害者になってしまう。特にお年寄りを狙ったオレオレ詐欺は「困っているなら助けてやらねば」という身内感情につけこんだ卑劣な犯罪だが、増える一方のようだ。 しかし世の中には、騙されて楽しいケースもあるんですよ‥‥‥というわけで、名古屋市美術館で開催中の『だまし絵2』展*1 を観に行った。古今東西のだまし絵の名品を集めた『視覚の魔術 だまし絵』展(2009)の第二弾。 会場入ってすぐのところにあるのは、さまざまな物で構成された人の顔の絵で有名なアルチンボルド。16〜17世紀の王道的だまし絵に続いて、今回のメインである二十世紀以降の作品八十七点が展示されている。ダリ、マルグリット、エッシャーなどおなじみの作家から、杉博司、福田美蘭、名和晃平など日の現代美術作家も。 絵画だけでなく写真

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  • 連載更新。「病む女」をテーマにミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』。 - ohnosakiko’s blog

    WEBスナイパー(18禁サイト)に連載の映画エッセイ「あなたたちはあちら、わたしはこちら」の第十一回がアップされています。 ピアニスト [DVD] 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ発売日: 2003/12/05メディア: DVD クリック: 55回この商品を含むブログ (46件) を見る ミヒャエル・ハネケ監督と言えば、観る者にかなり心理的負荷をかける作風で有名。私も『ファニー・ゲーム』でかなりやられました。 今回取り上げる『ピアニスト』(2001)も苦笑が次第に強ばっていくような展開ですが、私にとっては特別刺さる、刺さり過ぎて痛くて出血が止まらない(←大袈裟)作品で、長い間感想を書くことができませんでした。 その理由は、テキスト冒頭に書いております。主人公エリカの病理は、私の病理です(性的嗜好のことではなく)。長い間自分に取り憑いていたトラウマを乗り越えてかなり経った今、ようやく

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