2月末、俳優の松山ケンイチ(28)が初の著書『敗者』(新潮社)を上梓した。主にNHK大河ドラマ『平清盛』撮影に臨んでいた2011~12年の日記をまとめた形式で、『清盛』撮影時の様子やこれまで挑んできた仕事の回想、東日本大震災で感じたこと、妻である女優・小雪(36)や子どもとの生活についてなどが素直な筆致で記されている。 一部ネットニュースではすでに、低視聴率にあえいだ『清盛』について「自分自身の経験値が圧倒的に足りなかった」などと自省している面を取り上げたり、小雪のことを「長い間もっていたプライドが通用しない。いくら戦っても勝てず、避けようとしても食らいつかれ、真正面でいつまでも対峙している愛情という存在」と表現していることなどが話題となっているが、一冊通して読んでみると、松山の正直な人柄、飾らない赤裸々な物言いに圧倒される。 まず、一人称が「わい」。東北・青森県出身の松山は、高校二年生で