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ブックマーク / xtech.nikkei.com (145)

  • 京大のスパコンでファイル約77TB分が消失、実行中のスクリプト更新で誤動作

    2021年12月、京都大学のスーパーコンピューターがトラブルに見舞われた。学術論文に使う重要データなど、実に77テラバイト(TB)分のファイルが消失した。ITベンダーの担当者が実行中のスクリプトを不用意に更新したのが原因だった。来はログ削除の処理が利用者のファイルを削除する誤動作を引き起こした。ミスを犯したITベンダーも問題だが、監督不十分だった京都大学の責任も重い。 「弊社100%の責任によりLustreファイルシステムのファイル消失の重大障害を来し、多大なるご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます」 京都大学が2021年12月28日に公表した「スーパーコンピュータシステムのファイル消失のお詫び」のお知らせには、大規模なデータ消失を引き起こした日ヒューレット・パッカードが同大学宛てに提出した報告書がリンクされていた。「弊社100%の責任」という説明は、ITベンダー側の「完全降伏

    京大のスパコンでファイル約77TB分が消失、実行中のスクリプト更新で誤動作
  • メインフレーム老人の知恵をWeb青少年に伝えるのは至難の業

    先日ある勉強会で「視野の縮小、視座の低下」と題して10分ほど話をした。ここ1、2カ月の間に見聞きして驚いたことを6点挙げ、いずれの事例も当事者の視野が狭い、あるいは視座が低いことが問題の原因だと述べた。 6点の具体的な説明はあえて省くが、何らかの業務を処理する情報システムを設計し、開発し、動かす際に当然やるべき基的な取り組みがすっぽり抜けており、しかもそれに誰も気づかないという事例であった。 「メインフレーム老人の知恵」と書いたのは「当然やるべき基的な取り組み」はコンピューターといえばメインフレームだった時代に既にあったからだ。メインフレームに固有の知恵ではない。いつの時代であっても業務システムの開発や運用に必須の知恵である。 例えばたばこを吸うときには灰皿を用意し、吸い終わったら火を消して灰皿に捨てるといった類の知恵だ。だが灰皿を用意せずに火の付いたたばこをそのまま床に捨ててしまい、

    メインフレーム老人の知恵をWeb青少年に伝えるのは至難の業
  • 新幹線高架下に2階建て木造オフィスをつくる前例なき挑戦、工事現場を初公開

    新幹線の高架下に、木造2階建てのオフィスビルをつくる──。そんな驚きのプロジェクトが、2022年3月の開業に向けて佳境を迎えている。日経クロステックは21年11月下旬、建設中の現場に立ち入りを許された。木の躯体(くたい)がよく見える施工途中の写真を中心に、現状を報告する。 話題のプロジェクトのため、建築関係者がたびたび名古屋まで見学に訪れているという。 高架下の限られた空間内で、木造2階建てのオフィス建設が進む。真上を東海道新幹線が走る。竣工予定は2022年2月(写真:名古屋ステーション開発、21年11月時点)

    新幹線高架下に2階建て木造オフィスをつくる前例なき挑戦、工事現場を初公開
  • 防波堤が前触れなく一夜で倒壊、3年前の調査で「問題なし」

    宮城県気仙沼市の気仙沼漁港で、防波堤が延長50.3mにわたって一夜にして海上から消えた。防波堤を支える鋼管が折れ、海中で倒壊していた。県が2018年に実施した老朽化調査では、健全度に問題はないと判定していた。 21年11月2日午前6時50分ごろ、地元の漁業関係者が小々汐(こごしお)防波堤の倒壊に気づき、漁港を管理する県に通報した。県気仙沼地方振興事務所水産漁港部によると、地元の人は「前日の午後5時半ごろまで異変はなかった」と話しているという。 小々汐防波堤は、延長81mで幅約4m。岸から30.7mの区間は、コンクリートブロックを積み重ねた重力式の構造で、1976年に完成した。 倒壊したのは、77年に延長した50.3mの区間だ。この区間は、地中に打ち込んだ直径約700mmの鋼管で堤体を支えるカーテン式防波堤だ。港外側の鋼管の前面に取り付けたプレキャストコンクリート(PCa)板で波を防ぐ。港外

    防波堤が前触れなく一夜で倒壊、3年前の調査で「問題なし」
  • 羽田空港直下に鉄道トンネル、難工事部分をECI方式で23年度着工へ

    国土交通省は、JR東日が計画中の「羽田空港アクセス線」のうち、羽田空港の敷地内を通るトンネルなどを整備する。施工上の課題が多い開削トンネルの一部を先行して進め、2023年に着工する考えだ。国交省がトンネルなどの基盤整備を担当し、鉄道事業者が軌道やホームなどを整備する。アクセス線に関する基盤整備の事業費は1000億円超を見込んでいる。

    羽田空港直下に鉄道トンネル、難工事部分をECI方式で23年度着工へ
  • テスラの信じられない発表「コントローラーを半導体に合わせる」

    米Tesla(テスラ)が全く信じられない発表をした。驚愕(きょうがく)したという意味であって、信頼できないという意味ではない。 テスラのIR資料*1を確認していると、2021年第2四半期の「株主デッキ(Shareholder Deck)」*2に目が留まる。現在、自動車各社ともに半導体不足で呻吟(しんぎん)しているが、テスラは「我々の開発チームは、半導体不足から引き起こされる製造の問題について対応するために、これまでにない取り組みを開始している。我々のエレキとファームウエアのチームは、19もの新たなコントローラーを用意し半導体不足に対応するために鋭意、設計や検証に取り組んでいる」というのだ*3。 *1 TESLAのIR資料 *2 2021年第2四半期のShareholder Deck *3 原文はOur team has demonstrated an unparalleled abilit

    テスラの信じられない発表「コントローラーを半導体に合わせる」
  • 京成高砂の40年越し大改造なるか | 日経 xTECH(クロステック)

    東京の下町をコトコト走る京成線。葛飾区の京成高砂駅は上野と押上から下ってきた路線が成田に向かう新線と線、柴又への支線と3方向に分岐する一大ジャンクションだ。駅を高架にして周辺を再開発、さらに隣接する車両基地も移設して新たなにぎわい空間をつくる壮大な計画が温まりつつある。40年越しの大改造へと関係者が動き出した。(編集部) 1912(大正元)年に曲金駅として開業し、今年で「104歳」を迎える京成高砂駅。駅前には「連続立体交差事業の早期実現!」といった横断幕があちこちにかかっている。 こうした運動の起源は40年以上前に遡る。当駅から分岐して千葉ニュータウンに向かう新線「北総線」が1973年、事業認可に至った。これを機に高砂地区開発協議会(旧)が発足し、高架での乗り入れを訴える運動を進めた。

    京成高砂の40年越し大改造なるか | 日経 xTECH(クロステック)
  • テレワークで社内の対話が激減、解決のカギは「前のめり」のツール利用

    新型コロナウイルス対策として在宅勤務を中心としたテレワークが普及する一方、テレワークに取り組むビジネスパーソンにとってコミュニケーションは依然、大きな課題になっている。解決しないと業務の停滞などを招きかねない。そこでテレワーク先進企業の取り組みを中心に、課題の解決策を紹介する。今回は、「日々の業務における対話」の活性化策を押さえよう。 2020年春以降、企業が新型コロナウイルス対策の一環でテレワークに大規模に取り組むと、「相手の状況が分からない」といった理由で、コミュニケーションが不足する課題に直面することが増えている。 この課題は今なおテレワークに取り組むビジネスパーソンにとって大きな関心事だ。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2021年4月に実施した「働き方改革に関する動向・意識調査」によると、テレワークを利用する際に不便・不安と感じる点や阻害要因で最も多かったのは、「同

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  • 長野の国道19号でまた地滑り、トンネル上方で200m四方が崩れる

    長野市篠ノ井小松原にある国道19号犬戻トンネルの松市側坑口付近で地滑りが続いている。2021年7月6日午前6時半ごろ、現場に隣接する廃棄物処理会社から土砂崩れで工場が壊れたと消防に通報があった。国道は被災していないものの、安全確保のため国土交通省長野国道事務所は同日午後2時20分、犬戻トンネルを通行止めにした。その後も、降雨があると1時間当たり5mm以上動いている。 国道19号犬戻トンネルの松市側坑口付近で発生した地滑り。写真右下の建物が廃棄物処理会社の工場。2021年7月6日午前9時過ぎに撮影(写真:長野県土尻川砂防事務所)

    長野の国道19号でまた地滑り、トンネル上方で200m四方が崩れる
  • 日本橋の首都高地下化がいよいよ始動、待ち構える難工事

    橋上空の首都高速道路を地下へ移設し、青空を取り戻す事業の初弾工事がいよいよ始まった。まずは、既存の2カ所の出入り口を撤去する。首都高速道路会社は2021年6月30日、報道機関を対象に現場見学会を開催。その模様と共に、今後の工程をお伝えする。 日橋川に沿って上空を通る首都高の都心環状線は、前回の東京五輪直前の1963年に開通した。以来50年以上が経過。1日当たり約10万台の自動車が走行するため構造物の損傷が著しく進む。首都高の地下への移設と既存高架橋の撤去によって、道路を次世代へつなぐことが急務になっている。 一方で日橋川周辺は国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置づけられ、2020年に都市計画事業として認可された。道路敷地の上下空間に建物の建設を可能にする「立体道路制度」を活用して、建物の地下にトンネルを整備し、まちづくりと一体で地下化事業に取り組む。 日橋区間の地下化事業の範

    日本橋の首都高地下化がいよいよ始動、待ち構える難工事
  • 地滑り止まらず亀裂拡大、国道107号の通行止め続く

    岩手県西和賀町の国道107号の法面で2021年5月1日に複数の亀裂が見つかり、1カ月が過ぎた現在も通行止めが続いている。地滑りが原因とみられる。一定のペースで変位が観測されており、復旧のめどは立っていない。

    地滑り止まらず亀裂拡大、国道107号の通行止め続く
  • 広がるクラウド導入で不正侵入のリスク増大、アクセス制御が鬼門に

    クラウドサービスを使う企業や団体を狙ったサイバー攻撃が日でも目立ってきた。記憶に新しいのは、セールスフォース・ドットコムが手掛けるクラウドサービスの「設定不備」に起因する不正アクセスだ。2020年12月以降、楽天やPayPay、イオン、神戸市、全日空輸(ANA)などが次々に被害を公表している。 もっともこの問題は、クラウド利用企業への攻撃としては「氷山の一角」にすぎない。情報処理推進機構(IPA)のセキュリティセンターが2021年2月に公表した「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」によると、2020年に届け出のあった不正アクセス被害のうち「クラウドサーバー」が狙われたケースは30件あった。 63件の「Webサーバー」と31件の「クライアントパソコン」に次いで3番目に多い水準だ。クラウドサービス活用の広がりとともに攻撃者の侵入口も増えているわけだ。 クラウド開発環境から認証情報

    広がるクラウド導入で不正侵入のリスク増大、アクセス制御が鬼門に
  • 大学で個人情報が意図せず漏洩、原因は無料セキュリティーツール

    北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)で学生・教職員の個人情報1725件が流出した。原因は、職員が無料セキュリティーツールを不用意に使用していたこと。パソコンで扱うファイルが自動的に外部サイトにアップロードされ、公開された。ツールは自動アップロードと第三者公開を利用規約に明記していたが、見過ごした。同サイトでは企業の機密ファイルなども公開されている。社員への注意喚起が必要だ。 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は2021年1月29日、個人情報1725件が外部に流出したと発表した。流出したのは学生・教職員の氏名とメールアドレス、所属部局・研究室だ。 今回の情報流出事件が特異なのは、サイバー攻撃や内部犯行などが原因でなかった点だ。JAISTは、マルウエアではない正常なセキュリティーツールを業務用端末にインストールしていた。職員が誤って個人情報を扱う業務でその端末を使ってしまった結果、個

    大学で個人情報が意図せず漏洩、原因は無料セキュリティーツール
  • リテラシー低い幹部をサポートする「IT介護」は問題の巣窟、放置すれば企業が衰退

    「何でも屋」の状態になってしまったIT職場が散見される。新規システム開発はもちろん、運用保守に問い合わせ対応、トラブルシューティング、機器選定と購入のための社内稟議(りんぎ)作成、社内部門の利用者に配布する端末のセットアップに操作説明。朝から晩まで、多種多様な業務に追い回される。新しい技術を学ぶ暇も心の余裕もない。この状況は、IT担当者を疲弊させるのみならず、企業そのものに危機的状況をもたらしかねない。 中でも、ITリテラシーの低い幹部や社員に対するサポート、いわゆる「IT介護」がIT担当者のモチベーションを低下させるなど問題の巣窟になっている。今回はこのIT介護をテーマにする。 筆者は「IT介護」を大きく2つに分類している。「ローレベル」なIT介護と、「ハイレベル」なIT介護だ。まずはローレベルなIT介護から取り上げる。

    リテラシー低い幹部をサポートする「IT介護」は問題の巣窟、放置すれば企業が衰退
  • モンストの新機能開発に活用、ミクシィが「Go」の採用に踏み切ったワケ

    GoRust、Elixir――。21世紀になってから生まれた新しいプログラミング言語を採用する企業が、日でも少しずつだが増えている。PythonRubyなどのスクリプト言語のように手軽にアプリケーションを開発できたり、SwiftKotlinのようにスマートフォンアプリケーションをすぐに開発できたりするわけではないが、システムを開発するプログラミングでは抜群の適性を発揮することも少なくない。特集はそんな新世代のプログラミング言語の使いどころを、事例に基づいて解説する。第1回は「Go」だ。 Goは2009年に米Googleグーグル)が発表した比較的新しいプログラミング言語だ。C/C++の代替として開発され、コンパイルが速く、並列処理の記述が容易という特徴がある。言語仕様がシンプルなので覚えなければならないことが少ないのもメリットだ。 さらにGoは、C/C++で問題だったメモリー関連

    モンストの新機能開発に活用、ミクシィが「Go」の採用に踏み切ったワケ
  • 国交省の3D都市モデル「PLATEAU」の衝撃、地図に建物の高さを記述して浸水対策

    今回のデジタル活用(デジカツ)は、地図の革新というべき話だ。まずは下の2つの画像を見比べてほしい。 左は米グーグルが公開している地図サービス「Google Earth(グーグルアース)」の画面。右は国土交通省が20年12月にプロトタイプを公開した3次元(3D)都市モデルのプラットフォーム「PLATEAU(プラトー)」のビューワー画面である。 米グーグルの地図サービス「Google Earth(グーグルアース)」(左)と、国土交通省が20年12月にプロトタイプを公開した3D都市モデルのプラットフォーム「PLATEAU(プラトー)」の画面を見比べてみよう(資料:国土交通省、Google Earthは米グーグルが提供しているサービス) 色味の違いこそあれ、どちらも上空から見た東京駅付近の地図画像である。表面的には違いが感じられない。 しかし、電子地図の「裏側」に隠された情報は全く違う。今日の話の

    国交省の3D都市モデル「PLATEAU」の衝撃、地図に建物の高さを記述して浸水対策
  • COCOA不具合放置の遠因か、開発ベンダー選定で繰り返された「丸投げ」の実態

    新型コロナウイルス感染症対策の切り札と期待されていた接触確認アプリ「COCOA」。そのAndroid版で「接触を検知・通知できない」という根幹機能に関わる不具合が4カ月以上放置されていた問題は、開発体制の見直しや原因調査に波及しようとしている。同問題は2021年2月3日に厚生労働省が公表した。 「アプリそのものの出来があまりよくなかった」――。平井卓也デジタル改革相は2021年2月9日、現状のCOCOAについてこう断じ、今後は内閣官房IT総合戦略室がCOCOAの保守・運用などに関与していく考えを示した。一方でCOCOAを担当してきた厚労省は不具合発見が遅れた原因について第三者による調査を検討しているという。 現在の体制は、厚労省と発注先ベンダーの両方が問題を抱えている。ただ原因を究明するならば、厚労省の前任者らが関わっていた発注プロセスが最善だったのかという点まで踏み込んで検証すべきだ。

    COCOA不具合放置の遠因か、開発ベンダー選定で繰り返された「丸投げ」の実態
  • 起こるべくして起こったCOCOA「4カ月間バグ放置」、受け入れテストのずさんな実態

    接触確認アプリ「COCOA」のAndroid版を「無用の長物」にする不具合が4カ月以上放置されていた問題は、厚生労働省のテストに対する姿勢の課題を浮き彫りにした。取材を進めると起こるべくして起こった問題であると分かった。 実はCOCOAの不具合が長く放置されてきた問題は、今回が初めてではない。初期バージョンにあった通知機能のバグの修正に3カ月を要するなど、不具合の発見と修正が遅れる傾向が続いていた。COCOAのリリースから7カ月たつが、ほぼ常に何らかの不具合を抱えている状況が続いている。

    起こるべくして起こったCOCOA「4カ月間バグ放置」、受け入れテストのずさんな実態
  • モバイルバッテリーが原因で自宅が半焼、責任負わない米アマゾンも法規制へ

    Amazonマーケットプレイスで売られている中国製モバイルバッテリーが原因で自宅が半焼した男性が、アマゾンジャパンなどに損害賠償を求めて提訴した。政府はプラットフォーム事業者に対し、問題のある商品の販売停止を要請できる新法案を今国会に提出する。身近に起こり得る被害を救済する第一歩だ。 情報法に関連した研究者である加藤尚徳氏は2020年11月に米アマゾン・ドット・コムやアマゾンジャパンを相手取って提訴した。Amazonマーケットプレイスで購入した中国製モバイルバッテリー内部からの出火で自宅の家財道具が消失した損害の一部賠償と、被害者救済の仕組みを求めたものだ。 火災の原因となったモバイルバッテリーをAmazonマーケットプレイスに出品した中国メーカーは、類似した製品を国内の家電量販店でも販売している。加藤氏は出品者である中国メーカーやアマゾンジャパンに事故の周知や対象製品のリコールといった対

    モバイルバッテリーが原因で自宅が半焼、責任負わない米アマゾンも法規制へ
  • 空洞はいつできたのか、外環トンネル陥没事故に残る謎

    東京都調布市で起こった東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事に伴う陥没事故。シールド機が土かぶり47mの大深度地下で土砂を過剰に取り込んだメカニズムが明らかになってきた一方、解明されていない現象がある。 「(陥没の一因となる)空洞が表層近くの地中にあらかじめあったのか、それともトンネル工事が原因で空洞ができたのか。原因がはっきりしないと、他工区を含めた外環トンネル工事の再開は難しい」。有識者委員会が中間報告をまとめた2020年12月18日、委員長を務める早稲田大学の小泉淳名誉教授はこう話した。 シールド機が土砂を過剰に取り込んだことで、飽和した単一の砂層である東久留米層の地山に緩み領域が発生。緩み領域はその後、東久留米層の上方へ煙突状に拡大していったとみられる。地山が砂層なので、緩み領域は短時間のうちに進展した可能性が高い。 トンネル軸方向の縦断図。図中の「Bor」はボーリング調査の削

    空洞はいつできたのか、外環トンネル陥没事故に残る謎