東京電力福島第1原発事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が現場の指揮を執った吉田昌郎元所長=昨年7月死去=から当時の状況を聞いた「聴取結果書(吉田調書)」の要旨は次の通り。 【震災発生】 〈2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9・0の東日本大震災が発生した〉 ―最初の対応は。 「運転している1、2、3号機について自動停止しているかどうかと、電源関係の異常や設備の損傷がないか確認する」 ―津波の危険性は予測していたか。 「NHKだったと思いますけれども、津波警戒警報ですか、注意報が出ているというのは見ています」 ―その時点で対策は。 「プラント運転上、津波の対応というのは、この時間で手を打てるものが全くない」 【津波襲来】 〈第1原発に津波の第1波が到達したのは午後3時27分だった〉 「異常が起こったのは(3時)37分の全交流電源喪失が最初でして、非