読書の秋である。 雨の日が続いていることもあって、最近私の職場ではお昼休みに読書をする人が増えている。 いつもバッグに文庫本を入れている私にとっては嬉しいブームだ。 静かなオフィスで、ゆっくり読書に集中…と思ったのだが。 本を読んでいるはずの、隣りの席がなんかおかしい。 音は控えめだが、拳を振り上げ足を踏み鳴らし、明らかに笑いをこらえながら本を読んでいる。 マジか。 もともと目にうるさい(リアクションがいちいちデカい)男だとは思っていたが、この現代社会においてチャップリンばりのサイレント・コメディを演じながら読書をする奴が実在するとは。 さすがにチラッと一瞬隣を見てしまったが最後、奴はすかさず食いついてくる。 「ここ!ここが面白いんですよーー!」(本を指さしながら。このくだりももちろんサイレント。) 礼儀として、一応目を通す。 落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カ
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