あなたは世界である 山本卓卓の『Changes』はとりあえずドキュメンタリー映画であると言っていいだろう。一人の俳優に焦点を当て、生い立ちから掘り下げて作品化する山本のソロプロジェクト「ドキュントメント」の最新作である本作は、80分程度の映像作品であり、かつて山本の主宰する劇団「範宙遊泳」でも役者をやっていた田中美希恵というふくよかな女優が痩せていくことを(一応)主題としている。「ドキュントメント」というのは、山本の造語で、「ドキュメント」(記録)と、「DQN(ドキュン)」という痛い人を指すネットスラングを掛け合わせたそうだ。 「とりあえず」「程度」「一応」などと保留の言葉が多いのは、この作品がいわゆる「ドキュメンタリー」からも表向きの主題からも、逸脱している点が多いからである。上映分数については、試写や上映の度にその映像が付け足されていくそうで、80分程度というのはあくまで私が観た試写で