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ブックマーク / www.webchikuma.jp (9)

  • 京都ALS嘱託殺人事件の判決では、何が問われたのか|ちくま新書|児玉 真美|webちくま

    2024年3月5日、京都地裁で元医師に懲役18年の判決が言い渡された、いわゆる「京都ALS嘱託殺人事件」の報道では、明らかになっている事件のグロテスクさに触れたものは、ほとんどありませんでした。元医師は何を行い、裁判で何が罪とされたのか。報酬を得て難病患者を殺害した嘱託殺人。その事件をきっかけに発覚したのが、医師幇助自殺を希望する女性の英文診断書偽造、そして共犯の元医師の父親を殺害した事件。それらと安楽死議論を結びつけて論じるのは、そもそも大間違いなのです。話題の新書『安楽死が合法の国で起こっていること』著者、児玉真美さんによる特別寄稿です。 空疎な議論 2023年11月に上梓した『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書)の「序章」で、京都ALS嘱託殺人事件への世論の反応に触れて、以下のように書いた。 私には、相模原事件(障害者施設殺傷事件)から後、衝撃的な出来事が起こるたびに、

    京都ALS嘱託殺人事件の判決では、何が問われたのか|ちくま新書|児玉 真美|webちくま
  • 〈17〉50代になってから、毎日が憂鬱です|あなたの悩み、世界文学でお答えします。|堀越 英美|webちくま

    「恋のツラみ」から「職場でのつまずき」まで、現代人のお悩みに、世界文学のあの作品この作品を紹介しつつ、キリッと答えていく堀越英美さんの好評連載。今回のお悩みは…… 【お悩み】 50代女性です。裕福で堅実な夫と結婚し、子育てもひと段落して悠々自適な暮らし。周囲からは幸せな女に見えているでしょう。でもなぜか、毎日が憂なのです。青春時代を振り返っては、これ以上生きていてもあれほど幸せなことはないだろうからもう死んでもいいと思ってしまったり、戦争や災害で大変な思いをしている人たちがいるのにこんなことで悩むなんて、とうしろめたさを感じたり、破天荒な元カレと結婚していたらどんな感じだったかを想像したり。どうにか前向きになりたいです。 【お答え】『ダロウェイ夫人』を読んで朝の散歩をしよう! 『論語』に「五十にして天命を知る」という一文があるように、50歳は一般に自分の人生の意味がわかる年と言われている

    〈17〉50代になってから、毎日が憂鬱です|あなたの悩み、世界文学でお答えします。|堀越 英美|webちくま
  • 【第160回】関東大震災100年の年に読む、朝鮮人虐殺の記録|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」2023年9月号より転載。 今年、2023年は関東大震災から100年の年である。 1923年9月1日午前11時58分、関東地方一円を襲ったマグニチュード七・九の巨大地震。被害の大きさや死者の多さもさることながら、この震災は流言蜚語やデマによって大量の朝鮮人虐殺事件を引き起こした点でも、記憶すべき負の歴史だ。 近年の歴史修正主義によって、教科書や副読の記述が後退したり、就任翌年の2017年以来、小池百合子都知事が朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付を見送ったり。最近右寄りの動きが目立つ案件だけれど、半面、新しい歴史の掘り起こしが進み、関連書籍の新刊や復刊も相次いでいる

    【第160回】関東大震災100年の年に読む、朝鮮人虐殺の記録|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま
    poohmobil
    poohmobil 2023/09/04
    “虐殺の背後には県や国の関与があった可能性が高い”
  • File102. 書くことへの信仰を失いかけたときに読む本|昨日、なに読んだ?|堂園 昌彦|webちくま(1/4)

    紙の単行、文庫、デジタルのスマホやタブレット、電子ブックリーダー…かたちは変われど、ひとはいつだってを読む。気になるあのひとはどんなを読んでいる? 各界で活躍されている方たちが読みたてホヤホヤをそっと教えてくれるリレー書評。今回のゲストは、歌集『やがて秋茄子へと到る』が高く評価され、文芸誌などでも活躍著しい歌人の堂園昌彦さんです。 最近、とてもしんどい。何を見るにしても何を語るにしてもなんだか実感がなく、その実感のなさ自体がどこかで悪事に加担しているような気分になり、なにも書けなくなる。疫病の蔓延や長期化する戦争が一因にあるのは間違いないが、そのせいばかりではなく、とらえどころがない嫌な雰囲気が社会にずっと続いている気がする。 こういうときは身体の輪郭を取り戻してくれるような、なにか芯のある文章を読みたくなる。そして私は、これまで何度も繰り返し読んだ井田真木子の『かくしてバンドは鳴

    File102. 書くことへの信仰を失いかけたときに読む本|昨日、なに読んだ?|堂園 昌彦|webちくま(1/4)
  • 最終回 パンデミックとアメリカ音楽|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/3)

    トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化政治の新たな地図を描き出す! 2020年、COVID-19(coronavirus disease 2019)と名付けられた感染症が世界を席巻した。アメリカでは3月に入ってから症例数が急増し、多くの州で緊急事態宣言が発せられた。一日あたりの感染者数も4月中旬の3万人台を第一波のピークに6月には2万人前後にまで減少したものの、7月下旬に7万人近くまで増加すると秋口に微減したのちに11月以降さらに急増し、2021年1月には1日の感染者数が30万人に到達した。もちろん、検査数が一定ではないので感染者数のみを比較してもあまり意味はないが、新型コロナウィルス感染症によるアメリカ合衆国の死者は2021年2月7日の時点で46万人を超えており、このパンデミックの被害をもっとも大きく受けた国のひとつ

    最終回 パンデミックとアメリカ音楽|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/3)
  • 9.BTSと「エイジアン・インヴェイジョン」|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/5)

    トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化政治の新たな地図を描き出す! 2020年9月5日付けのビルボードHot100でBTSの「Dynamite」がついに1位を獲得した。ビルボード誌の長い歴史上、43曲しか達成していない初登場1位という驚異的な記録であり、いうまでもなくアジア勢のアーティストとしては坂九の「スキヤキ」(1963)以来、57年ぶりの快挙でもある(1)。 アメリカでのBTSの活躍をチャート上で追うと、ミニアルバムなどが2015年頃からランクインし始めるものの、ビルボード誌の総合シングルチャートに初めて登場するのは2017年9月の「DNA」である。85位にランクインされた曲は翌週67位に上がり、韓国のグループとしての最高位を更新すると(それまでは2009年のワンダーガールズ「Nobody」の76位が最高位)、

    9.BTSと「エイジアン・インヴェイジョン」|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/5)
  • 号泣しながら書いた人間の多面性|『ワイルドサイドをほっつき歩け』刊行記念対談|ブレイディ みかこ,西 加奈子|webちくま(1/4)

    ブレイディみかこさんのエッセイ集『ワイルドサイドをほっつき歩け』刊行記念として、西加奈子さんと対談していただきました(2020年5月26日ビデオ通話にて)。 『ワイルドサイド~』に出てくるおっさんたちの話から、西さんの『おまじない』の「おじさん」にも話は及び、最後はコロナ渦のイギリス・ブライトンとバンクーバーの状況の話にも! 悩んでいる時に鮮やかに呼び止めてくれる感じがある 西:今そちらは何時ですか? ブレイディ:今23時。 西:こっちは15時です。飲んでくださいね。 ブレイディ:いえいえ(笑)。まだ水です。 西:感想言っていいですか? もう、当にしびれて。むちゃくちゃ信じられると思いました。今まさに、自分が感じていたことを改めて考えさせてもらえました。これは『新潮』で連載しているエッセイにも書いたのですが、例えば私がバンクーバーに来て英語を学んでいるのも英米コンプレックスがあって。 ブ

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  • 7.ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/4)

    トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化政治の新たな地図を描き出す! 2016年2月15日。ロサンゼルスで開催された第58回グラミー賞授賞式におけるケンドリック・ラマーのパフォーマンスは異様な雰囲気に包まれた。 俳優ドン・チードルの紹介に続いてステージが暗転すると、ケンドリックを先頭に手足を鎖に繋がれた数人の黒人が現れる。舞台には牢獄のセットが組まれ、両脇の鉄格子の中にはサックスを演奏する囚人もいる。鎖を付けたままマイクの前に立ったケンドリックは、大音量のバンド演奏とともに〈ザ・ブラッカー・ザ・ベリー〉をラップし始める。曲の後半、鎖をちぎったダンサーたちが激しい踊りを繰り広げ、暗闇の中で囚人服のスケルトン模様が蛍光色に発光する。するとステージが転換し、今度は中央に設置された巨大なかがり火を囲むようにアフリカを思わせる部族

    7.ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/4)
  • 第5回 「ちょっと待てよ。人の話を簡単に信じるな」若林恵さん:前編|考える達人|webちくま

    予防医学研究者の石川善樹が、これからの時代を生き抜くためには何をどう考えることが必要かを、9人の賢人と会って話し合う。 必要な能力として、直観・論理・大局観、ジャンルをアカデミック・ビジネス・カルチャーに分け、それぞれの交わるところの達人に お話をうかがっていく連載。3人目のゲストは、「直観×カルチャー」の賢者、若林恵さん。「自分の敵は、経済の倫理 。指標は一つではない」というカルチャーの番人が、石川さんをどきっとさせます。 若林恵(わかばやし・けい) 日版『Wired』編集長。1971年生まれ。フリーエディタ ー/ライター。平凡社『月刊太陽』編集部を経て2000年に独立。カルチャー雑誌で記事の編集、執筆に携わるほか、書籍・展覧会カタログの企画・編集も数多く手がける。音楽ジャーナリストとして音楽誌に寄稿するほか、ライナーノーツの執筆、音楽レーベルのコンサルティングなども行う。2011年よ

    第5回 「ちょっと待てよ。人の話を簡単に信じるな」若林恵さん:前編|考える達人|webちくま
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