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クルーグマンの検索結果1 - 40 件 / 72件

  • 先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち

    先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち 2023.09.11 Updated by yomoyomo on September 11, 2023, 21:53 pm JST 「テックブロ(tech bro)」という言葉があります。IT業界で働く男性を指しますが、ケンブリッジ英英辞典によると、社交性に欠けるのに自身の能力を過信する米国の若い男性という含意もあるようです。 最近、この言葉が出てくる文章で気になったものがあるので、それらの紹介から始めたいと思います。 一つはダナ・ボイドの「メタバースは未だシカトさせていただきます」です。これはメタバースがテーマの新刊を送ってきた友人に対し、メタバースには一貫して興味がないと宣言する文章なのですが、彼女の拒否反応には理由があります。彼女は初期のバーチャルリアリティー(VR)の体験者であり、2014年にはVR体験の性差にフォーカスした「Oc

      先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち
    • 「テクノ楽観主義者宣言」にみる先鋭化するテック大富豪のイキり、そしてテック業界の潮目の変化

      「テクノ楽観主義者宣言」にみる先鋭化するテック大富豪のイキり、そしてテック業界の潮目の変化 2023.11.07 Updated by yomoyomo on November 7, 2023, 12:00 pm JST 前々回「先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち」、前回「テクノ楽観主義者からラッダイトまで」を書いた者として、今回はマーク・アンドリーセンの「テクノ楽観主義者宣言(The Techno-Optimist Manifesto)」(解説付き日本語訳)を取り上げるのが必然と思われます。まさに大富豪の白人男性の先鋭化とテクノ楽観主義者の現在を見るうえで必読と言える内容になっています。 しかし、この渾身のマニフェストに対する風当たりは強い、という印象があります。それについては後で取り上げますが、いろいろな意味で潮目の変化を感じずにはいられません。 著者のマーク・アンドリー

        「テクノ楽観主義者宣言」にみる先鋭化するテック大富豪のイキり、そしてテック業界の潮目の変化
      • 円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏

        現在はニューヨーク市立大学の経済学教授を務めるクルーグマン氏はまた、日本がようやく持続的なインフレ圧力を実現したか納得していないとも発言。「そのように望むが、日本のデータを見ても納得できない」と語った。 「根本的な種類の力強さはまだ見られない。日本の長期的な弱さは人口動態、極めて低い出生率に関係している。日本は少なくとも以前よりは移民にオープンになったが、この点に変化はない。道のりは遠い」との見解を表明した。 円安の最大の要因は日米金利差だ。根強いインフレを背景に、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が近いうちに利下げするとの予想はほとんどないものの、クルーグマン氏は米利下げでもインフレ再加速の可能性は非常に小さいと見受けられるとして、早期に金利を引き下げた方がよいとの考えをあらためて示した。 クルーグマン氏は金融政策運営を自動車の運転に例えて、「インフレがバックミラー

          円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏
        • ノーベル賞経済学者が中国経済の問題点を指摘…「日本のようにはならない。もっと悪くなるだろう」

          Jennifer Sor [原文] (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦) Aug. 02, 2023, 07:30 AM 国際 77,825 中国経済は減速に向かっていると、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは考えている。 クルーグマンは、中国と90年代に経済が衰退した日本との類似点を指摘する。 人口動態に強い逆風が吹いていることから、中国の将来はさらに悪化する可能性が高い。 中国経済は大きな減速に向かっていると、ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマン(Paul Krugman)は考えている。 彼は、2023年に入ってからの期待外れな中国の経済パフォーマンスを、日本の経済力が衰退し始めた90年代の経済的苦境と比較した。 クルーグマンは2023年7月25日に公開されたニューヨーク・タイムズへの寄稿文にこう記している。 「中国は最近失速しているように見えることから、将来的に日本の

            ノーベル賞経済学者が中国経済の問題点を指摘…「日本のようにはならない。もっと悪くなるだろう」
          • ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)|経済学101

            "graffiti report card 1- close up" by bbaunach, CC BY 2.02020年からのインフレを正しく理解したのは誰だろう?パンデミック後に高まったインフレを鎮める戦いは着々と進んでいる.FRB が実際に目標に見据えているものにとても近い数値であるコアインフレ率は,前月との比較で 2% にまで下がっている: Source: Jason Furmanコアインフレ率は少しばかり上げもどすだろうけれど,それでも,他のどのインフレ指標を見ても,正しい方向に向かっている.というか,モノは先月よりも安くなってるし,サービス価格のインフレ率も下降傾向にある.最新の賃料を示す各種の数値を見ても,サービス価格は先月より下がってきてる.インフレをはかる各種の数値のなかでも外れ値に比較的に影響されにくい数値を見ても,そのすべてが同じ傾向を示している.基本的にすべてのイ

              ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)|経済学101
            • ジョセフ・ヒース「アイデンティティ・ポリティクスはナショナリズムに似ている」(2023年11月26日)

              年をとるにつれ、周りの人が覚えていないことを思い出せる機会が増えていく。私がアイデンティティ・ポリティクスを巡る昨今の議論を真面目に受け取る気になれない理由の1つはこれである。私は既に同じことを経験してしまっているのだ。この映画は前に見たことがあるし、結末だって知ってる。 言い換えれば、私は1990年代のことを生き生きと思い出せるのだ。実際、私は90年代からこの仕事に就いているが、全く同じ考えについて(提示の仕方まで全く同じであることも多い)、人々がどれほどの熱量で議論していたかを覚えている。マキシム誌のような90年代後半の文化製品を取り上げて、「なんてこった、こいつらはセクシストだったんだ」と言ったり、「となりのサインフェルド」 [1]訳注:アメリカの国民的なコメディドラマ。 のジョークの一部には「問題がある」と不満を述べたりする若者を見るのは、愉快であるとともにゾッとする経験だ。若者は

                ジョセフ・ヒース「アイデンティティ・ポリティクスはナショナリズムに似ている」(2023年11月26日)
              • さよならTwitter【前編】突然の利用制限、ブランド変更にマスク氏の「迷惑体質」:朝日新聞GLOBE+

                マスク氏が買収する以前のTwitterは、高度な技術力を備え合理的な経営をするシリコンバレー流のテクノロジー企業だと思われてきた。だが、マスク氏が買収した後のTwitterの経営を合理的な施策の積み重ねとして理解することは困難だ。むしろ非合理的な、はた迷惑な出来事に目を背けず調べることで、はじめて理解できることが多い。 同社に起きた出来事を調べていくと、あるパターンが見えてきた。オーナーのマスク氏は、技術やビジネスの合理性、持続性よりも、刹那的な注目を重視する傾向がある。そして特に自分と親和性があるグループ——特に差別発言で物議をかもすことでSNSを盛り上げ閲覧数を稼いでくれる極右インフルエンサーとその支持者からの人気を重視する。イーロン・マスク氏自身も「迷惑系インフルエンサー」としての行動を取っているのである。 予告なしの利用制限にユーザーは悲鳴 ある日突然、予告なしに利用制限が始まった

                  さよならTwitter【前編】突然の利用制限、ブランド変更にマスク氏の「迷惑体質」:朝日新聞GLOBE+
                • ラヴジョイは「冷笑系」:非ビリーバーの優位性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                  ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』を勝手に翻訳している話をした。 cruel.hatenablog.com で、引き続きやっていて、第2講もいまのところ、なかなかおもしろい。まだ前半だけだけれど、言われていることはやはり単純だ。 頻出する観念として「異世界性」と「この世性」みたいなのがある。 異世界性は、来世の天国で処女が17人!とか、この世が気に食わんから異世界転生するなろう小説みたいなもの欲しげな話とはちがう。そういう異世界転生って、この世の価値観のまま自分の都合のいい世界になるってことで、「この世性」の権化。 本当の異世界性というのは、この現実は現実ではなく、永遠不変の絶対的な善の世界があるのよ〜みたいな話。 この手の論者はみんなインチキ。なんだけれど、西洋思想では圧倒的にこの異世界性が大きな影響を持つ。宗教なんてみんな神さまだのといったありもしないものを押しつけるという理屈で、この異

                    ラヴジョイは「冷笑系」:非ビリーバーの優位性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                  • 2023年に読んだ本 - 思索日記

                    週1冊程度は読んできたけど紹介するほど良かった本が10冊なかった。しかし1と2はいきなり殿堂入りするくらい良かったので、今更だけど紹介。今回紹介するのは5冊です。*1 1. いつも時間がないあなたに 欠乏の行動経済学 昨年の記事「知識の資本主義」で扱った。 tomato10.hatenablog.com たまには自己啓発本でも、と思って読んだらゴリゴリの行動経済学本だった。一周して自己啓発的な示唆が多分に含まれており、それでこういうタイトルになっていると思われる。タイトル詐欺。認知資源やお金や時間の欠乏は、「メリットもあるがデメリットのほうが大きい」ということを丁寧に教えてくれる。”欠乏”と一言でまとめて考えられることに着目するのすごい。多忙と貧困の共通点なんてよく気がついたよね。。 昨年前半、仕事が忙しすぎて目が回る状況だった。自分は体調を崩してしまい先に離脱してしまい、そのときにこの本

                      2023年に読んだ本 - 思索日記
                    • ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』の最終講:存在の連鎖は破綻した無意味な思想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                      ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』の翻訳を始めた話はした。 cruel.hatenablog.com 素直に第2講を初めて、半分くらいはおわっているんだけれど、そもそもこの話がどこへ行くのか知りたくて (はい、推理小説もまず最後を読むタイプです)、最後の第11講をあげてしまいました。 ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第11講 (最終回) もちろん、このpdfを読むとそれなりにウダウダしい。だが、そこで言われていることは、第1講と同じでとてもシンプルではある。それはつまり、以下の通り: 「存在の連鎖」という観念は最終的に、二千年かけて詰めていったらボロボロでまったく整合性がないことが明らかになった。 だから破綻して、すると一気に忘れられてしまった。 思想そのものの現代的な価値はまったくない。 ただこういう変なものにハマる精神の働き (すでに蒸し返すバカも出てる) の記録という意味はあるかも。

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                      • 【コラム】日本化なら中国にとって最善の結果か-リーディーとモス

                        【コラム】日本化なら中国にとって最善の結果か-リーディーとモス コラムニスト:リーディー・ガロウド、Daniel Moss 中国で何年も蓄積されていた課題に世界がようやく気付きつつある。中国経済の減速を受け、米国との対比だけでなく、不安と同時に羨望(せんぼう)の的でもあった高成長時代の中国との比較も相次いでいる。 しかし、中国経済がデフレに陥りつつあるとの見方もある中、こうした暗い雰囲気を表現する上で、「日本化」という言葉が使われる頻度が増えている。確かに、不動産市況の悪化や急速に進む高齢化、米国との貿易摩擦など、表向きには1990年代前半の日本との類似点がある。 かつて、中国の台頭は不可避であり、これは同国特有の性質のたまものだとされる一方、日本による問題対応には誤りがあり、これは避けるべき反面教師とされた。今では中国でも物価が下落し、需要も伸び悩んでおり、日本と同じ道をたどりつつあると

                          【コラム】日本化なら中国にとって最善の結果か-リーディーとモス
                        • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                          2024年2月29日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,036点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

                            ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                          • クルーグマン先生「中国経済は日本のバブル崩壊のようにはならない、………もっとひどい事になる」

                            pedram @Pedram1292 Professor Paul Krugman believes China isn’t likely to be the next Japan, economically speaking. It’s probably going to be worse. Japan saw a rise in youth unemployment (15-24 years old) in the 1990s, but this rise has since reversed. The International Labor Organization pic.twitter.com/caz5WESAOY 2023-08-01 07:12:48

                              クルーグマン先生「中国経済は日本のバブル崩壊のようにはならない、………もっとひどい事になる」
                            • ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)

                              2020年からのインフレを正しく理解したのは誰だろう? パンデミック後に高まったインフレを鎮める戦いは着々と進んでいる.FRB が実際に目標に見据えているものにとても近い数値であるコアインフレ率は,前月との比較で 2% にまで下がっている: コアインフレ率は少しばかり上げもどすだろうけれど,それでも,他のどのインフレ指標を見ても,正しい方向に向かっている.というか,モノは先月よりも安くなってるし,サービス価格のインフレ率も下降傾向にある.最新の賃料を示す各種の数値を見ても,サービス価格は先月より下がってきてる.インフレをはかる各種の数値のなかでも外れ値に比較的に影響されにくい数値を見ても,そのすべてが同じ傾向を示している.基本的にすべてのインフレ数値が下に向かっているのを示す表を載せておこう.どの数値も,FRB の 2% インフレ目標に近づいてきている: 2020年以前のような低インフレで

                                ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)
                              • ノーベル経済学者ポール・クルーグマン「景気がそれほど減速しなかったことに驚いている」 | インフレは格差を広げたのか?

                                インフレは格差を広げたのか? ノーベル経済学者ポール・クルーグマン「景気がそれほど減速しなかったことに驚いている」 ノーベル経済学者クルーグマンは欧州経済をどう見ているのか Photo by Ricardo Rubio/Europa Press via Getty Images クルーグマンはこの夏最初の熱波のうだるような暑さに耐えながら、スペイン北部ビーゴのコンベンションセンターの一室に座る。「まったく、なんて世界だ」と気候変動についてぼやいてから「マドリードはもっと暑いんですよね」と付け加えた。 だがノーベル賞受賞者で米国の著名なコラムニストである彼は、経済については、それほど悲観していない。ビーゴ自由貿易区コンソーシアム主催の「ビーゴ・グローバル・サミット2023」におけるプレゼンテーションで、「このインフレ危機の経済への打撃は大きくないだろう」と言い、またインフレ自体、すでに収束に

                                  ノーベル経済学者ポール・クルーグマン「景気がそれほど減速しなかったことに驚いている」 | インフレは格差を広げたのか?
                                • 「非モテ」団体がアニメを悪用して日本人を獲得、潜入ジャーナリストが告発

                                  おおの・かずもと/1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、『マイケル・ジャクソン死の真相』(双葉社)などの著書、『そして日本経済が世界の希望になる』(ポール・クルーグマン/PHP新書)などの訳書がある。 ビジネスを強くする教養 斬新な思考、創造性はアートからやってくる!美術や音楽、ワイン、さらには哲学や宗教などを、その世界のプロ達が、最新のトピックスにからめて、わかりやすく解説します。 バックナンバー一覧 陰謀論、反LGBTQ運動、反ワクチン、ロシアの反リベラル思想、トランプ信者、白人至上主義、気候変動懐疑論…フェミニストで女優の母を持つジャーナリスト、ユリア・エブナー氏は、大衆化した過激主義の現状を、組

                                    「非モテ」団体がアニメを悪用して日本人を獲得、潜入ジャーナリストが告発
                                  • ノーベル賞経済学者が評価。実は「失われていない」日本経済の30年 - まぐまぐニュース!

                                    日本経済を語る際、かならずと言っていいほど使われる「失われた30年」という言葉。そんな誰しもが疑いもなく受け入れている「定説」を、ノーベル経済学賞受賞学者が一蹴しています。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、ニューヨークタイムズに掲載された、日本経済を評価する経済学者のポール・クルーグマン氏の意見記事を紹介。さらに日本を停滞した社会とする見方を全否定するクルーグマン氏の言説を引きつつ、自身の見解を記しています。 日本経済:失われていない30年 「失われた30年」とよく言われます。バブル崩壊直後の1990年代から今までの経済成長の停滞の事です。 この言葉、当然のように語られてきまた。 しかしノーベル経済学賞の受賞者ポール・クルーグマンがこれに反対する意見をもっています。 紹介するのはニューヨークタ

                                      ノーベル賞経済学者が評価。実は「失われていない」日本経済の30年 - まぐまぐニュース!
                                    • タイラー・コーエン 「マクロ経済学における錯覚の変遷」(2023年8月23日)

                                      ミルトン・フリードマン(Milton Friedman)が登場するまでのアメリカの経済学界を振り返ると、貨幣(マネーサプライ)は(景気の変動に影響を及ぼす要因として)大して重要じゃないというのが第一線で活躍するマクロ経済学者の間でかなりの合意を得ていた見方だった。 フリードマンは、デビッド・メイゼルマン(David Meiselman)だとかアンナ・シュワルツ(Anna Schwartz)だとかとの共同研究を通じて、貨幣(マネーサプライ)はかなり重要だということを示すれっきとした証拠を大量に提示した。そして、大勢(おおぜい)がそのことに同意した。皆が皆、筋金入りのマネタリストに転向したわけではなかったにしても。 早くも1982年になると、マネタリストの勢いに陰りが見え始めた。マネーサプライの管理に重きを置く金融政策が言うほど功を奏していないことが判明し出したのだ。貨幣っててんで重要じゃない

                                        タイラー・コーエン 「マクロ経済学における錯覚の変遷」(2023年8月23日)
                                      • クルーグマンのインフレ/ディスインフレ論 - himaginary’s diary

                                        今月12日の米CPI公表以降、クルーグマンが精力的に米インフレについてツイートしている。 公表当日のスレッドでは、リアルタイムにCPI公表をカウントダウンして待ち構えている。 So, 12 minutes until C-hour, as in CPI. And you know that all the headlines will be about headline and core inflation over the past year — even though everyone knows these are poor indicators of the current state of inflation 1/ Things we know: shelter costs are a hugely lagging indicator, reflecting a surge in

                                          クルーグマンのインフレ/ディスインフレ論 - himaginary’s diary
                                        • ノア・スミス「現代の大学業界のどれくらいがムダなんだろう?」(2024年1月7日)|経済学101

                                          Photo by JF Martin on Unsplashズキズキする問いだけど問わないといけないこの何年ものあいだ,ぼくは政治的な右派の批判者たちから大学制度を擁護してきた.たとえば,2017年には,大学で行われている活動の一部にかかる税金を引き上げようという共和党の計画に対して,こんなことを書いた: アメリカの大学制度は,この国でいまも経済的な長所でありつづけている屈指の重要制度だ.製造業が中国に行ってしまっているなかでも,アメリカは高等教育で優勢を維持している.アメリカ各地の大学がもたらしている研究とテクノロジーの成果や大学院卒の高技能労働者たちは,知識産業がこの国に集積しつづけている重要な要因だ――3つだけ挙げれば,シリコンバレーや製薬業や石油サービス産業がより低い労働コスト目当てに国外に逃げ出さずにアメリカ国内にとどまっている理由の一つは,ああいう高技能労働者の存在にある.高等

                                            ノア・スミス「現代の大学業界のどれくらいがムダなんだろう?」(2024年1月7日)|経済学101
                                          • アメリカの債務急増の危機感!米国民の借金1580万円に驚き#財政問題#国債#財源 - 限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

                                            5,214兆円の借金。米国民1人1580万円 このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。 アメリカの国の債務(借金)が33兆ドルに達しました。現在、ドル高円安が進み、158円となっているので、換算すると5000兆円を超える債務があることになります。上の図はGDPに占める債務の比率ですが、126.9%となっています。2000年には55%の比率だったものが、伸び続け、コロナのパンデミックではトランプ大統領が2.2兆円を使い、バイデン大統領はインフレ削減法(気候変動対策や医療保険改革)などで、債務上限を上げ続けて現在に至ります。このことは何を意味し、アメリカではどうとらえられてるのでしょうか? 一部に強い危機感を表す声 財政問題の監視団体、「責任ある連邦予算委員会」のマヤ・マッギネアス委員

                                              アメリカの債務急増の危機感!米国民の借金1580万円に驚き#財政問題#国債#財源 - 限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。
                                            • 利上げ時のインフレと失業率には因果関係はあるのか? - himaginary’s diary

                                              という点についてオリビエ・ブランシャールとリカルド・ライスが議論している。具体的には、利上げでインフレを下げる際に失業率が上昇するのは副作用に過ぎず、失業率上昇という経路を通じてインフレが低下するわけではない、とリカルド・ライスがデビッド・ベックワースとの対談で述べ、その言葉をベックワースがツイッターで紹介したところ、ブランシャールが反応して以下のようにツイートしている。 Dear Ricardo, I am puzzled. For me, the increase in unemployment is causal, not a side effect, for inflation. Do you mean to say that, if we could avoid the side effect, we could decrease inflation without higher

                                                利上げ時のインフレと失業率には因果関係はあるのか? - himaginary’s diary
                                              • インフレとクルーグマンのオッカムの剃刀の延長版 - himaginary’s diary

                                                10日のCPI公表を受け、クルーグマンが改めて、インフレが失業率の大きな上昇なしに沈静化するという見立てが当たった勝利宣言とでも言うべき連ツイを立て、併せてそれが実現した原因と今後のリスクについて考察している。 Lots of number-crunching out there, but this was another very good inflation report. The debate over whether disinflation requires a large bulge in unemployment is essentially over. No, it doesn't. But there's still a debate about how we did this, which matters 1/ One story is that disinflatio

                                                  インフレとクルーグマンのオッカムの剃刀の延長版 - himaginary’s diary
                                                • コーエン・N・チューリング「ケインジアン vs マネタリストの区別はもはや時代遅れである」(2023年5月23日)

                                                  この記事では、ケインズ主義とマネタリズムの区別は、(共にワルラス経済学に依拠していることから)現代のマクロ経済論争を理解する上で、時代遅れであると論じる。今、有用な区別は、(ケインズ主義とマネタリズムの統合からなる)新古典派連合(Neoclassicals)と、新オーストリア学派の区別である。この区別は、経済における公的債務の役割についてのそれぞれ異なる見解に立っている。 先週、ロバート・ルーカスが亡くなった。彼の研究は、マクロ経済学に永遠の変化をもたらした。「合理的期待」という考え方は、マネタリズムとニューケインジアンの発祥の地であるシカゴ大学やMITで使われているマクロ経済学モデルに浸透している。この記事では、ケインズ主義とマネタリズムの区別は、(共にワルラス経済学に依拠していることから)現代のマクロ経済論争を理解する上で、時代遅れであると論じる。今、有用な区別は、(ケインズ主義とマネ

                                                    コーエン・N・チューリング「ケインジアン vs マネタリストの区別はもはや時代遅れである」(2023年5月23日)
                                                  • 円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏(Bloomberg) - Yahoo!ニュース

                                                    (ブルームバーグ): ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は2日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、日本経済にとって需要押し上げにつながる円安に日本の通貨当局がパニックとなっているのは理解し難いと語った。 クルーグマン氏は「日本がなぜ円安をこれほど懸念しているのか当惑させられると言わざるを得ない」と指摘。「円安は多少の時差を伴って日本の物品・サービス需要に実際には前向きとなる」とし、「なぜこれほど多くのパニックを引き起こしているように見受けられるのか不可解だ」と話した。 日本の財務省が5月31日に発表した4月26日-5月29日の為替介入額は9兆7885億円と、月次ベースの介入額として過去最大を更新した。政府サイドの行動を受け、日本銀行は円安圧力を和らげるため7月までに追加利上げに踏み切る可能性があるとの観測が台頭している。

                                                      円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏(Bloomberg) - Yahoo!ニュース
                                                    • クルーグマンのインフレあれこれ - himaginary’s diary

                                                      「コント:ポール君とラリー君――70年代と現在の比較は正しいかの巻 - himaginary’s diary」で紹介したように、インフレについて70年代と現在を比較するのは不適切だと論じたクルーグマンが、8月末のツイートで補足している。 High levels of unfilled job openings played a major role in the "Eek! It's the 70s!" narrative last year 1/ But that now looks like more Long Transitory, with vacancies declining without rising unemployment 2/ And props to the guys who got it right, and argued for a soft landing 3

                                                        クルーグマンのインフレあれこれ - himaginary’s diary
                                                      • クルーグマン『経済発展と産業立地の理論』の改訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                                        数日前に、なぜだか知らないがアーサー・ラブジョイの本を訳し始めた話は書いた。 cruel.hatenablog.com で、それとまったく関係なしにやりはじめちゃったのが、このクルーグマンの本だ。 で、訳文がこれ。 クルーグマン『開発、地理、経済理論』(3章はまだ途中全部やっちゃいました) もちろん著作権というものがあるので、クリックして読んだりしてはいけないよ。 なんでこんなのやってるのか? おもしろいから。これは1990年代の前半、クルーグマンが最もおもしろくて天才的なひらめきを次々に発揮していた時期の話だ。そしてそこのテーマは、開発経済学と経済地理学。まあぼくがやらんでだれがやる、というような本ではある。 とはいえ、こうした分野そのものの中身に切り込んだというよりは、なぜこういう分野が1950年以降イマイチぱっとしなかったのか、という話ではある。そして答は簡単。どっちも収穫逓増がとっ

                                                          クルーグマン『経済発展と産業立地の理論』の改訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                                        • (時時刻刻)頼らないと、骨にもなれない 市権限で生活保護、受け入れ先を探す担保に:朝日新聞デジタル

                                                          ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                            (時時刻刻)頼らないと、骨にもなれない 市権限で生活保護、受け入れ先を探す担保に:朝日新聞デジタル
                                                          • マイナス金利解除で「日本景気は回復」とノーベル経済学者クルーグマン氏が考える理由

                                                            おおの・かずもと/1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、『マイケル・ジャクソン死の真相』(双葉社)などの著書、『そして日本経済が世界の希望になる』(ポール・クルーグマン/PHP新書)などの訳書がある。 金利復活 日本銀行が3月18、19日に開催した金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めた。マイナス金利解除は、1990年代後半から断続的に続いてきた「金利のない世界」の終焉と、金融政策正常化に向けた第一歩だ。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出すのか、それとも低金利は続きモノや資本が余った「成熟経済」の道を歩むのか。この30年余りの金利ゼロに慣れ切った企業経営や家計、マクロ政策運営への「金利

                                                              マイナス金利解除で「日本景気は回復」とノーベル経済学者クルーグマン氏が考える理由
                                                            • 女性記者が極右団体に潜入「過激主義者が突然オフィスに…」と告白

                                                              おおの・かずもと/1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、『マイケル・ジャクソン死の真相』(双葉社)などの著書、『そして日本経済が世界の希望になる』(ポール・クルーグマン/PHP新書)などの訳書がある。 ビジネスを強くする教養 斬新な思考、創造性はアートからやってくる!美術や音楽、ワイン、さらには哲学や宗教などを、その世界のプロ達が、最新のトピックスにからめて、わかりやすく解説します。 バックナンバー一覧 陰謀論、反LGBTQ運動、反ワクチン、ロシアの反リベラル思想、トランプ信者、白人至上主義、気候変動懐疑論…フェミニストで女優の母を持つジャーナリスト、ユリア・エブナー氏は、大衆化した過激主義の現状を、組

                                                                女性記者が極右団体に潜入「過激主義者が突然オフィスに…」と告白
                                                              • 【あるぷす経済遅報】ノーベル経済学賞受賞者「円安は日本にとってプラスでしかないでしょ?」|アルプス投資ブログ

                                                                毎日17時に「YouTubeにゲーム実況動画」を配信しております。 魔が刺したら覗いて見てね↓↓↓ 昨日までのニュースを簡単に振り返ろうかなと思ってます。 よかったら御一緒に眺めましょう! ノーベル経済学賞受賞者「円安は日本にとってプラスでしかないでしょ?」 円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏 https://t.co/QNkHKXHENI — ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) June 3, 2024 「円安は日本経済にとってプラスでしょ?」と、発言している記事があったので共有。 記事の内容は、簡単ですがこんな感じ。 ・ノーベル経済学賞を受賞した偉い人が言うには「日本経済にとって、円安良くない?なんでそんなパニックになってるの?」と、発言したそうな。 ・加えて「日本の物品・サービス需要には前向きじゃない?感じないの?」とも言ってるよ

                                                                  【あるぷす経済遅報】ノーベル経済学賞受賞者「円安は日本にとってプラスでしかないでしょ?」|アルプス投資ブログ
                                                                • クルーグマン氏、金利に関して「ひどく混乱」-方向性は不透明

                                                                  ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、金利水準が中期的にどこに向かうのかまったく不透明だと指摘し、コロナ禍前の水準への低下もしくは高止まりのどちらもあり得るとの見方を示した。 クルーグマン氏は21日、ブルームバーグテレビジョンに対し、金利がコロナ禍前の水準を今後も上回るかどうかについて、「金利に関して私はひどく混乱している」と語り、「その答えを確実に知っていると主張する人は妄想じみている」と続けた。 米10年債利回りは現在、4.4%前後。コロナ禍直前は2%を下回っていた。 クルーグマン氏はコロナ禍前と比較して多くの力学が「様相を変えた」可能性があると指摘。多くの製造業への投資を誘発しているバイデン政権の産業政策のほか、移民の大幅な増加を挙げた。 人工知能(AI)を含む新技術のおかげで、企業が設備投資を増やす可能性があるとの見方も示した。 それでも「実際に2019年がまだ基準とな

                                                                    クルーグマン氏、金利に関して「ひどく混乱」-方向性は不透明
                                                                  • ジェイソン・ファーマン「3%インフレ目標に切り替えよ」 - himaginary’s diary

                                                                    ジェイソン・ファーマンが、表題のことを訴えたWSJ論説を解説する連ツイを立てている。 My @WSJopinion argues that the Fed should make a "hawkish pivot" to a higher inflation target. Specifically get inflation <3.0%. Then shift to a 2-3% range, stick with that, and re-emphasize the price stability side of the mandate. A 🧵 summarizes. 1st: What is the right blank slate inflation target? Inflation is costly & inconvenient. But it also plays a

                                                                      ジェイソン・ファーマン「3%インフレ目標に切り替えよ」 - himaginary’s diary
                                                                    • 日本は不況の前例ではなく「経済成長の手本」。中国が「日本と違う」これだけの理由

                                                                      <日本は「失われた」数十年を経験したが、実はその間も成長を続けてきた。今、中国の停滞を日本と比較する識者が多いが......> ※本誌2023年10月3日号は「日本化する中国経済」特集。失速する中国経済を検証しています。 中国経済の不調を伝えるニュースが続くなか、多くの識者は中国が1980年代後半から日本を悩ませてきたのと同じ「好況・停滞・低迷」の道をたどっているとみている。 だが、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンの見方は違う。「日本は警戒すべき前例ではなく、手本と言っていい」と彼は主張する。 日本は1991年以降、「失われた」数十年を送ったが、その間も労働年齢人口の1人当たり実質GDPはアメリカとほぼ同じペースで推移し、45%の成長を遂げた。深刻な高齢化に直面し、人口が2008年をピークに減少に転じた先進経済にとっては容易なことではない。 日本の事例で評価すべきなのは、201

                                                                        日本は不況の前例ではなく「経済成長の手本」。中国が「日本と違う」これだけの理由
                                                                      • コント:ポール君とラリー君――70年代と現在の比較は正しいかの巻 - himaginary’s diary

                                                                        米国のインフレの沈静化を受け、自分の見通しが当たったとしてクルーグマンが活発にツイート活動を行ったのに対し(cf. ここ)、このテーマにおけるクルーグマンの「論敵」のサマーズは、高金利と経済の過熱にはまだ警戒が必要、と自分が出演する動画などにリンクしつつ時折りツイートする程度の静かな活動に最近は留まっていた。しかし、サマーズが反撃の狼煙を上げたとも受け止められる以下の8/24ツイートを機に、両者がまた衝突した。 This picture should be sobering to anyone convinced that we have reattained price stability. (拙訳) この図は、我々が物価の安定を取り戻したと確信している人すべてにとって酔い覚ましとなるだろう。 このツイートにクルーグマンが以下のように噛み付いた。 Lots of people beati

                                                                          コント:ポール君とラリー君――70年代と現在の比較は正しいかの巻 - himaginary’s diary
                                                                        • ノア・スミス「アメリカはどうやってソフトランディングを達成したのか?」(2023年12月20日)

                                                                          大いに待望されていた「ソフトランディング」(軟着陸)が,ふつうなら一筋縄でいかないはずなのに,どうやらアメリカでは達成できそうだという点で,大半の評論家たちの見解は現時点で一致してる――雇用や賃金に痛手を与えずにインフレ率を下げるという難業が成し遂げられそうだ. USスチール買収の件について書こうと思ってたけれど,鉄鋼業の歴史について読むべきものが積み上がってしまってる.そこで,そっちは明日に回さなくちゃいけない.さしあたって,マクロ経済の話を手早くやるとしようか. 大いに待望されていた「ソフトランディング」(軟着陸)が,ふつうなら一筋縄でいかないはずなのに,どうやらアメリカでは達成できそうだという点で,大半の評論家たちの見解は現時点で一致してる――雇用や賃金に痛手を与えずにインフレ率を下げるという難業が成し遂げられそうだ.というか,ぼく個人が「ソフトランディング」と呼んでいただろう結末よ

                                                                            ノア・スミス「アメリカはどうやってソフトランディングを達成したのか?」(2023年12月20日)
                                                                          • 名目硬直性の重要性と知的分断 - himaginary’s diary

                                                                            「利上げ時のインフレと失業率には因果関係はあるのか? - himaginary’s diary」で紹介したブランシャールとライスの議論について、ブランシャールが以下のように自分の見解をまとめている。 1. Triggered by the exchange with @R2Rsquared @AngelUbide, @Guido_Lorenzoni and others: The discussion was at the core of macro. The nature of the determinants of the price level is THE fundamental issue in thinking about short run fluctuations, not a marginal or esoteric issue. 2. Without nominal r

                                                                              名目硬直性の重要性と知的分断 - himaginary’s diary
                                                                            • キャンセル料は安さの交換条件? 20年余りで起きた想定外の変化:朝日新聞デジタル

                                                                              ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 --><!--株価検索 中⑤企画-->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><section>\n<link type=\"text/css\" rel=\"stylesheet\" href=\"https://www.asahicom.jp/opinion/forum/css/forum_kiji_naka6.css\"/>\n<div class=\"Section\" id=\"forum-naka6\">\n<div class=\"Title\"><h2>フォーラム 最新のテーマ</h2>\n<ul class=\"SubLink\">\n<li class=\"Fst\"><a href=\"https://www.asahi.com/

                                                                                キャンセル料は安さの交換条件? 20年余りで起きた想定外の変化:朝日新聞デジタル
                                                                              • ベバリッジ曲線の変化の変化する理由 - himaginary’s diary

                                                                                というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Shifting Reasons for Beveridge-Curve Shifts」で、著者はGadi Barlevy(シカゴ連銀)、R. Jason Faberman(同)、Bart Hobijn(同)、Ayşegül Şahin(テキサス大オースティン校)。 以下はその要旨。 We discuss how the relative importance of factors that contribute to movements of the U.S. Beveridge curve has changed from 1960 to 2023. We review these factors in the context of a simple flow analogy used to capture the

                                                                                  ベバリッジ曲線の変化の変化する理由 - himaginary’s diary
                                                                                • 池田信夫 著『日本人のためのピケティ入門』より。資本主義では格差も不平等も拡大する。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                                                                  今までの経済学では「資本主義の発展とともに富が多くの人に行き渡って所得分配は平等化する」とされてきました。これは資本の生産性が労働を上回れば投資が増えて資本収益率が下がり、労働生産性に近づくと考えられていたからです。現実にも、クズネッツなどの実証データでは、戦後の所得格差は縮小していました。 しかしピケティの1870年以降の歴史的データによれば、それは例外で、資本主義では格差が拡大するのが普通だというのです。 こういう指摘は以前からありましたが、ピケティは世界各国の一次資料を使って定説をくつがえし、「資本主義では過去200年間、格差が拡大し、今後も不平等が拡大する」と予想したオリジナルな研究だったので、大きな反響を呼んだのです。 (池田信夫『日本人のためのピケティ入門』東洋経済新報社、2014) こんばんは。自宅と最寄り駅の間にあって、毎日のようにその前を通っているのに一度も入ったことのな

                                                                                    池田信夫 著『日本人のためのピケティ入門』より。資本主義では格差も不平等も拡大する。 - 田舎教師ときどき都会教師